これは雑誌「anan」の恒例の「好きな男・嫌いな男」ランキングの結果。9月5日に発売された07年版では木村拓哉(34)が14年間連続1位の偉業を達成。しかしながら、芸能界の反応は冷ややかなのだ。
「だっておかしいでしょう。いくら人気者でも14年もたてば、素敵な男の見方も変わるし、世相も価値観も変わっている。なのに14年間もトップでいるはずがない」と話すのはドラマプロデューサー。
実際にライバル誌の「CanCam」では、1位が小池徹平で、キムタクは8位と全く評価が違う。こうなればその調査方法、そして雑誌の質、さらにプロモーションによって左右する作為的評価としか思えない。
日本のスーパースターといえば故・石原裕次郎、高倉健の名前が浮かんだりするが、彼らがいかにスーパースターといえども、14年間トップはなかった。
確かにキムタクの存在は大きい。昨年は映画「武士の一分」で本格的に映画に進出、この秋に映画「HERO」に主演している。しかし高倉健、吉永小百合などと比べると、映画界では新人にしか過ぎない。
テレビが最大公約数とすると、さしずめキムタクは大衆車の代表のカローラだろう。少なくとも高級車の世界市場を制覇しているベンツ、BMWでもない。さらに日本の高級車のレクサス、セルシオでもない。
もっともカローラは、日本でも世界で最高の売り上げを見せている大衆車で、キムタクのイメージに近い。
考えてみればジャニーズタレントは小型車が多く、中には軽自動車に匹敵するタレントも多い。もっともいまの大衆車、軽自動車の性能は実によく、大型車といえども侮れない。しかしジャニーズタレントは、映画館で見るタレントではないだろう。小型タレントはテレビの中ではきちんと収まるが、大型画面の映画に出ると、小さすぎるために存在感が薄くなってしまう。
だが芸能界全体を見渡しても、キムタクがナンバーワンであることは変わらない。要するに若いタレントの育成を怠ったテレビ、映画界をはじめとする芸能界の怠慢がV14という独走を許した元凶といえよう。