「こうした問題は、コンビニやファミレス、牛丼チェーンなどで相次いでいますが、鮮度や衛生面を重視する寿司店では、他業界とは比較にならないほどのダメージがあります」(流通アナリスト)
『くら寿司』を展開する『くらコーポレーション』には、これ以外にも災難が続いている。
昨年末に発表した'18年10月期の決算において、'19年10月期の連結純利益予想が51億円となり、それが市場予想を下回ったため、業績の先行き懸念から株価が大幅安となってしまい、回復の気配すらないのだ。
『くら寿司』は、テーブルで皿を回収・カウントするシステムや、寿司の衛生を保つためのキャップなど、複数の特許システムを保有。同業他社と比べると少ない人員でオペレーションを回せる“外食産業の鑑”のような存在だった。
「今回の動画騒動では、急激な売り上げ減にまでは繋がっていませんが、こうした衛生面に対する影響は、ジワジワくる。2013年にも『スシロー』で、客がしょうゆ入れを鼻の穴に入れたり、口で咥える写真を相次いでツイッターに投稿し、経営を揺るがしかねないイメージダウンになりましたからね」(同)
今年5月には、社名を『くらコーポレーション』から『くら寿司』に変更し、世界に向けてブランド浸透を図っていく意向を示していた同社にとって、バイトテロは出鼻をくじかれるかたちとなった。
原価率が50%とも言われる回転ずし業界は、外食産業の中でも高コスト体質。少しでも経営を誤ると、すぐに転覆してしまう。国は増殖する“バカッター”どもに制裁を下す方法を早急に検討すべきだ。これ以上野放しにはできない!