松本自身がレギュラー出演していない番組にゲストとして出演することは珍しい。今回のキャスティングは本人がTwitterで語っていたように、謹慎中の雨上がり決死隊・宮迫博之の「尻ぬぐい」として特別出演が決まったものとされている。
松本出演の『行列』は事前の告知も功を奏して平均視聴率15.3%(ドラマリサーチ調べ、関東地区、以下同)という高い視聴率を記録した。これは同時間帯トップの視聴率であり、TBS系の木村拓哉主演ドラマ『グランメゾン東京』の13.3%を上回ったほか、先週の『行列』視聴率を4.5ポイント押し上げ「松本人気」を改めて実証することとなった。
しかし、この結果に思わず慌ててしまったのは吉本関係者や日本テレビ関係者だったという。
なぜなら、松本がゲスト出演する前の週の『行列』は、改編期恒例となっている明石家さんまが「所長」を担当する回。かつこの時は19〜22時の「3時間スペシャル」だったのである。
さんま司会の『行列』は、2012年に平均視聴率21.2%という高視聴率を記録したことを皮切りに常に20%近い視聴率を記録。行列にとっては「キラーコンテンツ」であった。しかし、先日放送された3時間スペシャルは10.8%。通常回とあまり変わらない結果に、落胆した関係者は少なくなかったという。
事実、さんまは昨年「日経エンタテインメント!」の「一番好きな芸人」ランキングで初めて1位から転落。世間の「さんま離れ」の動きがあるほか、『行列』に頻繁に出続けたため新鮮味が薄れてしまい、盛り上がりに欠けた印象があったのかもしれない。60歳を超えて浜辺美波ら若手美人女優にデレデレするさんまの姿を見て視聴者からは「もう、この展開は飽きた」「どの番組を観ても同じさんまなので『行列』にはもう出なくていいのでは?」といった厳しい声が相次いでいた。
一方、ゲスト出演することがほとんどない松本のゲスト回は「プレミア感」があったほか、松本は冒頭から宮迫のモノマネを披露し、ノーギャラ出演であることをアピール。スタジオでスポーツブラを着けるなど大暴れしており、世間の注目を一気に引きつけることに成功した。
くしくもこの「視聴率差」は人気に陰りの見えてきたさんま、いまだに若い世代に高い人気を誇る松本という二人の差を如実に表しているといえよう。
さんまと松本の「不仲説」はつとに有名だが、ますます両者に溝ができそうだ……。