「小手先で取り繕っても、中国は北を見捨てることはできません。北が崩壊すれば、中国は在韓米軍の駐留する韓国と国境を接することになり、安全保障上の脅威が増します。崩壊までには至らなくても、北が混乱し大量の難民が発生すれば、中国東北部の朝鮮族地域が不安定になるからです」(国際ジャーナリスト)
3月10日の短距離弾道弾スカッド2発に続き、18日の早朝にはノドン(射程距離1300キロメートル)が日本海に向けて発射された。飛距離は推定800キロメートルで、日本の防空識別圏内に入り日本海に落下している。
「スカッド発射には移動式の発射台が使われ、事前に韓国軍もキャッチできず、日本の政府関係者も大慌てでした。米韓軍が実施している合同軍事演習を畏怖してのことでしょう。ノドンの場合は、高角度で発射したことから大気圏再突入技術の実験とみられます。米国をビビらせる長距離弾道弾を完成させるためには、核弾頭の小型化に加え、再突入の際に発生する高熱や衝撃などから保護する技術が必要になる。軍事関係者は核弾頭を小型化する能力については『ある程度のレベル』と分析しているものの、再突入技術はまだムリと断定しているので、それへの反発でしょう」(軍事アナリスト)
そんな折、金正恩第一書記が直径1メートルほどの“銀色球体”を見ながら悦に入る様子が報道された。
「秘密であるはずの小型核弾頭を、それもハリボテを世界中に公開したのは、内心は焦りで一杯だからです。北から仕掛ければ、米韓軍の反撃に遭って自滅すると分かっているのです」(同)
頼みの中国は、昨年8月の人民元切り下げに端を発したキャピタルフライト(資本逃避)が止まらず、バブル崩壊は待ったなしの状況。また人民解放軍も相次ぐ腐敗摘発で、軍人たちはブチ切れ寸前である。
「日米韓は中朝の軍の造反さえ待っていれば“一丁上がり”となる公算が高いのかもしれません」(同)
習近平国家主席は、正恩第一書記が仕掛けるチキンレースに、いつまで付き合うつもりなのか。世界の批判の目は、暴走する北朝鮮にストップをかけられない中国に向き始めている。