両者の出会いは、86年にスタートした『歌謡びんびんハウス』(テレビ朝日系)までさかのぼる。同番組のメイン司会を務めていたのが、東京に再進出したばかりの鶴瓶。おもなゲストは、当時のレコード、CD売り上げランキングで上位に入っているような売れっ子ばかりだった。光GENJIの爆発的人気によって、ジャニーズ枠が設けられ、直属の後輩であるSMAPも出演できるようになった。当時はまだ、全員10代だった。
中居にいたっては、鶴瓶とダブルでメイン司会を務める『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)が、今年15周年を迎えている。21歳の年齢差がある大御所と、二人三脚で週間のレギュラー番組を現在進行形で務めているのは、SMAP史上最長といえる。
そんな鶴瓶が、SMAPがドームツアーを組むようになるほど売れたあと、初めて足を運んだライブが13年の北海道・札幌ドーム。そのあと、自身の扱いのひどさに落胆することになる。
およそ4時間のライブを終え、メンバーが空港に移動するための社用車に乗りこむと、車の後部座席にニット帽をかぶった鶴瓶がビールを飲みながら、待っていた。それは、「鶴瓶さんも乗ってくださいよ」というマネージャーの粋な計らいだったため、しぶしぶ便乗したに過ぎない。しかし、そんな裏事情をメンバーは知らない。気づけば、冷たい視線が車内を支配した。なぜなら、鶴瓶はベロベロに酔っぱらっていたからだ。
「さっきステージにおったヤツやぁ。ステージの上ではカッコええけど、こう見ると普通やなぁ」。
泥酔している鶴瓶に、メンバーはシーン。ライブ後で疲れていたこともあり、さらに気心知れた鶴瓶の醜態のひとつにすぎないと、メンバーは無視したのだ。酔っぱらいを体現するように、そのとき鶴瓶がかぶっていたニット帽は、見事なまでにズレていた。それでもメンバーは、ツッコむことをしなかった。
ちなみに、中居&鶴瓶の“迷コンビ”は、07年の『第58回NHK紅白歌合戦』で司会を務めている。紅組司会が史上初の男性で中居、白組が同局で『鶴瓶の家族に乾杯』にレギュラー出演中の鶴瓶という、異例の組み合わせだった。
そんな長い歴史、ともに仕事をしている信頼関係があるせいか。今の鶴瓶は完全に、SMAPのおもちゃである。