5カ月のブランクがあっても、今までの休養とはわけが違う。川島正師は仕上がりに自信をのぞかせた。「坂路でしっかり乗り込んでいるし、動きもいい。いきなりでも力を出せる状態だよ」
報知グランプリCの後、ディープサマーはフリオーソと同じく外厩馬として茨城県のミッドウェイファームで調整を進めてきた。船橋にはない充実した調教施設。その効果のほどは、休み明けを快勝したフリオーソの帝王賞を持ち出すまでもないだろう。
川島正師はかつて船橋競馬場の近くに、本気で坂路をつくろうとしていた時期があった。この試みは候補地からハニワが出土したことでとん挫してしまったが、中央馬に対抗するため、より強い馬をつくるために早くからその必要性を認識していた。
外厩制はその考えの一部を実現可能にした。「これまでもカタオカステーブルなどで坂路調教を行ってきたが、場所によってやり方が違う。今はミッドウェイでどう仕上げるか、サジ加減を調整しながら自分のやり方を模索しているところ」
試行錯誤の繰り返し。そのスタイルはまだ確立されたわけではないが、フリオーソは早々と新たな“川島流”に最高の結果で応えた。そして、その軌跡を今度はサマーが追う。