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キャイ談(キャバ嬢+怪談) 第2回 後篇

 あまりにも女の人が怯えてて、帰りの車の中でも「すいません、あんな部屋を紹介しちゃって」って涙ぐんでて、カメラマンさんは「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」ってなだめて、その日はそれで終わって。

 結局その不動産屋では物件が決まらなくて、別のところで契約したそうなんだけど、やっぱりタイプの女性だったんで、電話する口実に使えると思って連絡したんだって。

 「もしもし、カメラマンの○○ですけど、先日は下高井戸の物件でお世話になりました」
 「ああ! いえいえ、すいませんあの時は取り乱しまして」
 「いやー全然。それで、別の不動産屋さんで契約を済ませてしまいまして、今日はその報告を。いろいろお世話になっていたのにすいませんでした」
 「とんでもない! また機会があればぜひお声を掛けていただければ」

 ここでカメラマンさん、ちょっとイタズラしようと思って、
 「そういえば、あの物件。僕の気のせいか見間違いだとは思うんですけど、あの納戸の中に、おばあちゃんが見えたんですよね…」と振ってみたら、女の人びっくりして、
 「え!! おじいさんじゃなかったですか?」

 (ええー?)と思ってカメラマンさんが話を聞いたところ、

 「あの日、会社からの帰り道に、3連休に実家に帰ったとき父親から『加湿器使ってないなら送ってくれ』って頼まれてたのを思い出して。
 それで部屋に帰って加湿器を入れてある押入れを開けると、体が半分透けているおじいさんが浴衣を着て座っていたんです…。
 逃げたいんだけど体が動かなくて、目も離せない。
 だんだんおじいさんの輪郭がはっきり見えてきて、目から真っ黒な涙を流し始めて、ワッて口を開いたと思ったら…。
 『あの家に入るな! あの家に入るな! あの家に入るな!』って叫んで…。
 気がついたら私、肩からカバンをかけたままの態勢でベッドに倒れたまま朝を迎えていたんです。
 それで不思議なんですけど、
 私、加湿器なんて最初から、持ってなかったんです」

 そのカメラマンさん、あまりに怖すぎてデートに誘えなかったらしいよ…(苦笑)

*写真は本文とは関係ありません
【写真提供】新宿レジェンド
【記事提供】キャフー http://www.kyahoo.jp/

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