何年か前の書類やメモに混ざって、10数年前の写真が出てきた。とわの果てに追いやられていた当時の事が甦る。また新宿、葛西、渋谷などのキャバクラ店内で記念撮影したそれに混じって当時のキャバ嬢が名刺代わりに配っていたフォトテレカが出てきた。今は携帯電話のおかげでテレカなど誰も使わなくなった、というよりは公衆電話を探すことが難しくなった。
テレカの中の京香ちゃんはサクラ色の浴衣に山吹色の帯、右の人差し指を腰にあて、左の人差し指を唇に当てておどけた顔をしている。今でも可憐さが十分に伝わる。たぶん彼女の当時のお馴染み客は今でもそのテレカを持っているはずだ。
そしてあの時あの店で働いていたキャバ嬢たちの殆どは20代前半だったから、今は30後半か。金持ちと結婚してゼレブな生活をエンジョイしているのか、それとも一般主婦になってしまったのか。まあ、自分のような最近すっかりと女性に縁が無くなった40過ぎで甲斐性なしの男が詮索するのは無粋なことだが。
聞くところでは、自分が当時親しくしていたキャバ嬢たちの何人かは馴染みのお客や当時付き合っていた男性と結婚した。今でも夫婦間が良好なのは2人、1年も続かなかったのが3人、7年以内で別れたのは5人、未だに独身でスナックやクラブなどで現役活躍中は3人だ。
この数字が全国平均値ということは決してあり得ないが、少なからずのキャバ嬢たちは20代の頃に体感してしまった贅沢や貢ぎなどのアドバンテージを忘れることが出来ずに一度引退しても数年以内この商売に戻ってしまうのは、現在も同じだと聞いている。
ところで僕のお気に入りの京香ちゃんは絶対そんなことないよね…だって君と僕は今年で結婚生活11年目だしね。
*写真は本文とは関係ありません
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