厚い年輪を刻みつつも、少年のように音楽が好きな大人たち。還暦を過ぎた沢田研二と、ザ・ワイルドワンズとのコラボ、ジュリーwithザ・ワイルドワンズは、そんな世代にはうれしい試みだ。スマスマで歌う彼らを見て、若い世代の人たちも「渚でシャララ」の軽快なメロディが気になるらしく、放送後「着うた」のランキングを賑わした。70年代POPをイメージした青いスーツのイーグルたちが歌うPVもかわいい。
今年の沢田研二はもうひとつの顔を持つ。
3月19日から紀伊國屋サザンシアターで上演されている『音楽劇“新センセイの鞄”』(脚本:鈴木哲也/マキノノゾミ、〜4月4日まで)で沢田は、年の離れた教え子・ツキコ(富田靖子)に愛される老センセイを演じる。原作は「枯れセン」ブームの火付け役ともなった川上弘美の純文学ベストセラー。しっとりと落ち着いた題材ながら、歌、音楽、振り付けとこだわりぬいたプロフェッショナルな舞台は魅力的。長ーいキャリアを持ちつつも、まだまだ頑張るジュリー、今年は彼から目が離せない。