きれいになるために、毎日時間をかけて化粧をして、まさに文字どうり化けるっていうのに…。もともとの顔が美人だから、何もしていない「すっぴん」が許されるんだ、と嘆きたくなってしまいます。
twitterのつぶやきをまとめた『Togetter - 「化粧史のお話」』(http://togetter.com/li/59909)から引用して、「すっぴん」について考えてみましょう。発言者は作家・編集業の方だそうです。
「明治期の女学生は化粧をするのがマナーで、すっぴんはこれに反すると考えられていた。その理由は結婚で、当時の良家の子女は女学校在学中に縁談が決まり、退学→結婚というのが理想のコースだった。このため、女学校卒業はブスと同義語で、女学校卒業後に教師として就職は酷いブスと同義だった。当時は女性の社会進出はまだまだ認められていなかったため、このような価値観が浸透したものと思われる。従って、化粧をして見目麗しくするのは必須のテクニックだったわけだ」
現在では、化粧をすることが社会人のマナーのようにいわれるのも多いですが、きれいに見せたい、という女心から化粧をするのは、昔も今も変わらないのですね。それにしても、女学校卒業まで結婚できない=ブスの価値観はシビアです。
■美人像の推移
さて、美人がもてはやされるのが分かりましたが、時代によって美人像は変わっていいくもの。wikipediaの「美人」の項を参考に、ポイントをまとめてみました。
【平安時代】きめ細かい肌、色白、小太り、しもぶくれ気味の丸顔、細い目、長く水分の多いしなやかな髪の毛
【江戸時代】きめ細かい肌、色白、細面、小ぶりな口、富士額、涼しい目元、通った鼻筋、豊かな黒髪
【第二次世界大戦後】白人に近い顔立ち(西洋の影響)、小麦色の肌
【関東大震災以降】パーマネント、断髪、口紅を唇全体に塗る(欧米の影響)
【20世紀】美人の基準も多様化
目の大きさや髪型については、大きく変わっていますが、昔から今まで「きめ細かい肌」は美人の変わらない基準の一つのように思います。今一度『Togetter - 「化粧史のお話」』から興味深い部分を引用してみます。
「日本人女性の化粧品における消費傾向は、現在でも基礎化粧品に集中している。これは欧米女性の化粧品の消費傾向と比較すると分かり易い。欧米で消費量の多い化粧品は、口紅、目周り関係、そして香水であって、肌のケアはそれほど重視されない。そして、肌をきめ細かく見せると言うことは、表皮、特に顔の毛を剃り、化粧水などで保湿する事を意味している」
国によっても差があるようで、日本は「きめ細かな肌」に強い意識があるようです。そして、
「日本人男性の言うところの『すっぴん』とは、実は事前に手入れをされた肌の状態であって、決して『すのまま』という意味ではない」
とも書かれています。納得できる内容です。
ファンデーションや口紅をしていない、ノーメイクな状態の「すっぴん」。でも、それには「何もしていないの」と平気な顔をしながらも、水中で必死に足をばたつかせる白鳥のような、陰の努力が必要なように思います。お化粧を落としたら、顔が別人みたい! と驚かれるのではなくて、すっぴんがキレイと驚かれるように、筆者もお手入れされた「すっぴん」のためにスキンケア頑張ります。(asaka)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/