「パドレス傘下のマイナーリーグでプレーしていた牧田和久(35)ですよ。阪神も獲得を狙っています。古巣西武への帰還を予想する声もあり、こちらも他球団との争奪戦が繰り広げられています」(在阪記者)
今さらではあるが、牧田は前回WBC大会で侍ジャパンを牽引するなど、実績十分なアンダースロー投手だ。
こちらは阪神・矢野燿大監督(50)がメディアの前でラブコールを送り、球団幹部もオファーを送ったことを伝えている。
「牧田が日本に帰還するとしたら、西武との話を終えてからでしょう。西武・渡辺久信GMは松坂大輔を帰還させる方向で動いており、牧田に対しても同じです」(スポーツ紙記者)
阪神、西武に対し、原巨人は一歩遅れているような雰囲気だ。
FA補強で巨人が他球団の遅れを取るなんてことは、今までなかったはず。こんな情報も聞かれた。
「誰がFA宣言しそうなのか、こうした情報はどの球団にも9月には入ってきます。そのリストの中で、巨人が真っ先に興味を持ったのは、美馬学でもなければ、鈴木大地でもありません。千葉ロッテのセットアッパー、益田直也だと言われています。昨季は70試合、今季も60試合に登板したタフネス右腕を獲得すれば、手薄だった救援陣を補えます」(球界関係者)
救援タイプの投手を狙っていた。益田を本命視し、埼玉西武・十亀剣、そして、前パドレス・牧田の順番で調査を進めてきたという。
しかし、10月下旬、ドラフト会議を終えたころに「益田はFA権を行使しない。十亀は迷っているみたいだが、残留に傾いている」との一報が入ってきた。興味を持ったリリーバーが権利行使しないとなれば、巨人はオフのFA市場に対し、ゼロからまた調べ直さなければならない。美馬、鈴木の争奪戦に敗れ、牧田にアプローチしたのか否かさえも聞こえてこない理由は、ここにある。
「阿部の引退も重なり、左バッターがほしいと考えていたのは本当です。ただ、所属選手との絡みで、左打ちの内野手を狙うのか、外野手なのかも絞り切れないままオフを迎えてしまいました」(前出・同)
ドラフト会議後、日本シリーズが行われた。救援タイプの投手を狙っていなければ、結果は違っていたかもしれない。
その最重要課題であるリリーバーの増員はまだされていない。劣勢が伝えられる牧田での巻き返しを図るか?
獲得が決まったパーラだが、悲観的なデータも少なくない。今季はSFジャイアンツで開幕を迎えたが、5月に解雇され、ナショナルズに拾われた。外野守備の巧さには定評があるか、打率は2割5分程度。「メジャーでの現役続行」が難しいと思い、巨人入りを決めたようだ。山口俊の喪失を考えると、巨人は戦力ダウンしている。来季は本当に大丈夫なのか…。(スポーツライター・飯山満)