「今回のWBC問題では、参加理由に『震災復興』を挙げましたが、選手から『一貫して言っていたのならまだしも、参加にこぎ着けるための詭弁に聞こえ、被災者に失礼』と批判されています」(スポーツ紙記者)
記憶に新しい巨人・原辰徳監督の“1億円恐喝被害事件”では、「野球に集中して頑張ってください」と、まるで人ごとだった。暴力団排除の風潮の中、疑わしき行為が発覚したにもかかわらず、ろくに調査もせず、当事者側の言い分だけで問題なしとする“見事な”采配を振るったのである。
また、震災後の開幕日とナイター実施でもめた一件では、楽天の星野仙一監督から「コミッショナーがもっとしっかりしないと。あの方がパッと言えばそれで終わりなんだよ」と批判されたこともある。
前任の根來泰周氏(元公正取引委員会委員長)は、オリックスと近鉄をめぐる球界再編問題の際に、「自分には権限がない」と発言し、プロ野球ファンから「コミッショナーって何なの?」と失笑を買った。後任となった加藤氏は、駐米大使時代にメジャー・リーグで始球式を務めるなど野球に造詣が深く、ソフトバンク王貞治会長とも親しい間柄であることから、期待感は高かった。ところが、シビアな外交で培ったはずの見識や交渉力、決断力を発揮しようという意思は、全くと言っていいほど見られない。
「'07年に米議会で従軍慰安婦問題が取り上げられた際、駐米大使の立場として『日本はすでに謝罪している』としながら“強制連行はなかった”という最も重要な点には全く触れなかった。前例墨守、事なかれ主義の権化のような人物です」(外務省担当記者)
世界で勝つためには、さっさとお引き取りいただいた方がよさそうだ。