不思議な話だ。長年一緒に暮らした愛犬が、主人が念願の首相に上り詰めるのを待って天国へ行った。どことなくオカルトムードが漂う“ちょっとイイ話”。鳩山氏の愛犬アルフィーは数日前から体調を崩していたといい、衆院本会議の首相指名選挙を傍聴して帰宅した幸夫人にみとられて午後4時ごろ、息を引き取ったという。
ゴールデンレトリバーのアルフィーは、鳩山氏が旧民主党を結成した1996年生まれ。2004年10月に死んだ愛犬マックスの息子で、鳩山氏はインターネットの自身のホームページで家族の一員と紹介するほどでき愛。公邸に引っ越しても一緒に暮らす考えで、官邸サイドから「支障なし」との回答を受け喜んでいた直後だった。
鳩山家の犬は、十数年暮らしたポメラニアンのポン太、マックスに続きアルフィーが3代目。事情通は「鳩山氏はマックスが死んだときは深い悲しみに打ちひしがれ、当時の民主党広報誌に『家に犬が戻ってきているような気がする』などとスピリチュアルなことを書いたほど。筋金入りの愛犬家だからアルフィーの死も内心相当こたえているはず」と話す。ちなみにマックスの性格は「寂しがり屋」だという。
一方、けさ18日の朝刊各紙は、16日に発足した鳩山内閣の支持率についてそれぞれ世論調査した結果を報じており、いずれも71〜77%と高い数字が並んだ。
朝日が71%、毎日が77%、読売と日経はともに75%。共同通信社が16、17の両日実施した全国緊急電話世論調査では72%で、発足直後としては宮沢内閣以降で小泉、細川両内閣に続く3位の高水準となった。民主党の支持率も前回の調査から6.5ポイント上昇し、過去最高の47.6%を記録した。「脱官僚内閣」を掲げる鳩山氏の姿勢が高い支持につながり、新内閣は順調なスタートを切った形だ。
鳩山氏は17日夕、各社世論調査で、内閣支持率が70%を超えたことについて「大変ありがたいが、『ご祝儀相場』との認識の中、仕事をきちんと行って政治が変わったと示すことで、さらに(支持率を)高めていきたい」と述べた。愛犬の死をバネに、ますます国を建て直す使命感に燃えているようだ。