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聖火最終ランナー漏えいの怪

 テロなど様々なことが危惧されていた北京オリンピック。国家の威信をかけた開会式は豪華絢爛そのもの。北京市内すべてを会場にしたかのようで、世界にその存在感を誇示した。しかし、開会式に関して、驚くべき事実があったことをご存じだろうか。

 開会式の内容に関しては、当日まですべてが厳戒態勢の謎に包まれ、中国の強権的な隠蔽体質をアピールした格好となった。特に最後までトップシークレットとして扱われたのは、聖火リレーの最終ランナーだった。
 結果的にはロサンゼルス五輪の元体操選手で、「体操王子」として国民的英雄でもある李寧氏(44)が聖火台に点火する役目を務めた。実は、この最高機密扱いの最終ランナーが誰であるかを、開会式当日の朝刊で香港の新聞社がスッパ抜いていたのだ。
 このことが中国の一部関係者の間で、非常にショッキングに受け止められている。
 「最終ランナーを務めた李寧氏は、最後までかなり有力な候補としてリストアップされていた。ですから彼が登場したこと自体には、さほど驚きはありません。問題は、あれほど厳重に管理されていた国家的機密事項が漏れたという事実と、それが香港紙で発表されたということなのです」
 とは、現地の事情通の話。その前に、現在の中国と香港の微妙な関係について簡単な説明が必要であろう。
 今回の五輪では、香港は中国の特別区として別枠で選手団を結成し出場している。一方、馬術競技は香港で開催されるなど、中国と香港は同じ国だということをアピールしつつ距離も置いているという現実がある。
 その上、北京語圏の北京筋と広東語圏の上海筋では、同じ中国でも文化も習慣も異なるという事情を考慮すると、今回の情報リークが俄然、重要な意味を帯びてくるというのだ。
 「その記事の内容は、かなり断定的で相当に信用できる筋からの情報であることはすぐに想像がついた。誰が漏らしたか?政府関係者、オリンピック委員会、または北京の報道機関が自国内での新聞発表を避け、あえて香港筋に情報をリークしたということも考えられます。それよりも重要な問題は今後、北京の情報が香港でリリースされるのが既定化してゆくのでは?という期待と懸念なのです」
 徹底的な管理が敷かれている中国の情報政策に思わぬ落とし穴があったという事実。この事実こそが関係者に衝撃を与えているのである。
 10億を遥かに超える民を抱える大国の、未だに秘匿されているさまざまな内情が露呈する可能性。おそらくそのニュースの中には、日本国民を驚愕させるものがいくつも含まれているだろう。
 中国の情報が今よりも容易に入手できることをわれわれは「楽しみ」の一つとして待つべきか。前出の事情通は語る。
 「いや、中国政府の情報が白日の元にさらされる事態は、新たな危機の始まりと思ったほうがいいのかもしれません」
 この意味ありげな事情通の解釈をわれわれはどう受け止めればよいのだろう?
 中国の今後から目が離せない。

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