前日は“名物”のスコールに見舞われた小倉だが、日曜はピーカンのパンパン馬場。スピード優先とばかり先行馬同士の競馬が続いていた。しかし、絶対能力が違えば、そんなの関係ね〜。サマーシリーズ第2戦はドリームジャーニ―の独り舞台となった。
先導役は七夕賞を得意の荒れ馬場で制したミヤビランベリ。その後をダブルティンパニー、グロリアスウィークが続き、1番人気のダイシングロウは中団に位置。勝ち馬ドリームジャーニーはそれらを見ながら、後方をじっくりと進んだ。
ただ、1000m通過59秒3はオープン馬にすると平均ペース。明らかに先行馬有利の流れだった。「返し馬の感じも良かったし、引っ掛からないように、リズム良く走ることだけ気をつけました」とは池添騎手だが、もちろん、ここでは悠長に構えてはいられない。3コーナー付近からマクるように進出。先行集団に持ったままで並びかけると、あとは気合をつけるだった。
「安田記念で乗せていただきましたが、良くなる感じはもっていました。ゴール前は余裕もありました」。その前走は後方追走のまま10着に終わっているだけに、リベンジを果たした池添からは会心の笑みがこぼれた。
一方、この復活Vの裏には、残念ながら影の存在となってしまった立役者がいることも忘れてはならない。「4つコーナーを回るコースがこの馬には合っている」と小倉記念出撃を進言した武豊騎手こそその人だ。
追い込み馬に小倉2000mがフィットする?常識を覆す助言を送るあたり、やはり彼は天才だ。そして、その目には寸分の狂いもなかった。不運にも本人は先週の走行妨害で騎乗停止となってしまったが、昨秋の神戸新聞杯以来、勝ち星のないジャーニー再生計画はピンチヒッターの池添により完遂された。
「中間の様子にもよりますが、この後は毎日王冠(GII 東京芝1800m 10月12日)か、朝日CC(GIII 阪神芝2000m 9月15日)から天皇賞(秋)を考えます」と池江寿師。一昨年の2歳王者の復活で混とんとする秋の盾戦線が面白くなってきた。