このレースから手綱を取った蛯名騎手に操られ、道中は5番手の好位置をキープ。直線はしぶとい末脚を見せて、懸命に追い込んだチョウカイリョウガを2馬身退ける圧勝だった。前走のラジオたんぱ杯3歳Sで、後のダービー馬アドマイヤベガの3着に食い下がり1番人気に支持されていたが、見事に期待に応えてみせた。
その後、ブライトはスプリングS7着を経て牡馬クラシックの第1弾・皐月賞へ。前哨戦の大敗が響いたか、6番人気と評価は急降下していた。京成杯はもともとマイル戦で行われていたこともあり、勝ち馬はクラシックとの関連性が薄く、そのあたりも影響したのだろう。
だが、やはり、皐月賞と同じ中山2000メートルで刻んでいた確かな実績は、本番でキラリと光った。
99年の皐月賞は今も語り継がれるハイレベルの一戦だった。テイエムオペラオー、ナリタトップロード、アドマイヤベガという3強がそろい、注目度の高い中、オペラオーが快勝。そしてトップロードとのし烈な2着争いをハナ差制し、意地を見せたのがオースミブライトだった。
父はラストタイクーン、母のタイセイカグラは桜花賞馬シャダイカグラの妹で、大舞台で十分底力を発揮できる良血だった。妹のオースミコスモが牝馬GIで活躍したのも記憶に新しい。
ブライトを皮切りに、京成杯はクラシック路線を語る上で欠かせないレースに生まれ変わった。2004年の3着馬キングカメハメハが変則2冠馬に、07年の勝ち馬サンツェッペリンは15番人気の皐月賞で2着に食い込み波乱を呼んだ。昨年も勝ち馬マイネルチャールズがクラシックの主役として活躍した。
ちなみにサンツェッペリンは京成杯快勝→スプリングS大敗→皐月賞激走というブライトと同パターン。皐月賞の穴馬を探る意味でも要注目の一戦となっている。