◎グランデッツァ
秋の東京競馬の開幕週、毎日王冠の週は、若い頃から待ちきれないワクワク感とでも言おうか、ダービーの週とはまた違った高揚感がある。レースの魅力を決定付けたのは、1986年のサクラユタカオー。春天惨敗後、5か月ぶりの実戦をレコードで制した強さは鮮烈だった。あの栗毛の馬体は忘れられない。齢を重ねていくうちに高揚感は薄れてきてはいるものの、自分の中で毎日王冠は別格の競走だ。
今年の◎は、グランデッツァ。安田記念、函館記念と二桁着順続きだが、道悪や不向きな展開が敗因でありともに参考外。3走前の都大路Sがこの馬の本来のポテンシャル。時計の速い開催であったにせよ、1分43秒9は驚愕のレコード。あの圧勝ぶりに底知れぬ潜在能力を感じた。スピードを生かせる開幕週の馬場は絶好の舞台。都大路が3か月ぶり、今回も同様のローテで仕上げにも抜かりはない。能力全開、巻き返しは必至だ。心配は雨だけ。
ワールドエースが1番人気に推されそうだが、皐月賞馬ロゴタイプ、府中巧者ダークシャドウ、同舞台エプソムCの覇者ディサイファ、3連勝中のスピルバーグなど伏兵にとどまらない評価を受ける馬も多い。そんな中で最も注目しているのは、昨秋のマイルCS以降の3戦が案外なダイワマッジョーレ。実績だけならこのメンバーに入っても上位なだけに、人気薄での大駆けがあって何ら不思議はない。
馬連 流し
(9)-(4)(11)(12)(14)(15)
3連複 2頭流し
(9)(15)-(1)(2)(4)(8)(11)(14)(15)
<プロフィール>
仲町通(なかまち・とおる)
在京スポーツ紙の競馬記者として美浦・栗東トレセンに足を運ぶこと20年。厩舎関係者への綿密な取材の下、穴党として数多くの万馬券ヒットの実績を持つ。この春、フリーとして転身。本名非公開。
※出馬表などのデータは、必ずJRA公式発表のものと照合し確認してください。