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スペシャルインタビュー 千葉真一 日本映画をぶった斬り! 「俺はウソの無い時代劇で日本の文化と歴史を伝えたいんだ」(1)

 −−千葉さんといえば日米での活躍が知られていますが、最近は日本での出演作が話題になっています。映画では、昨年の『修羅の伝承 荒ぶる凶犬』、『歌舞伎町はいすくーる』、今年は4月に公開された『エイプリルフールズ』などがあります。出演するにあたってのこだわりは?

 「脚本が良く、感動させられるものであれば、どんなに低予算でも出演したいと思っているんです。しかし、残念ながら日本でもアメリカでも、今は良い脚本の映画が少なくなっている。特に最近のアメリカは少ないですね」

 −−アメリカ映画界の内情はどうなんでしょう。

 「アメリカという所は色んな人種が住んでいる国ですから、そういった人たちも受け入れられるということで、分かりやすいアクション映画が多いんです。難しい言葉はいらないし、興行収入も簡単に入る。ただ、僕は今のアメリカのアクション映画はあまり好きではない。派手な爆破シーンやCGを使ったものは、内容が薄いからです。それだけの予算を使うなら、良い脚本の作品に回して欲しいですよね」

 −−クエンティン・タランティーノ監督やハリウッドの俳優さんとの交流はいかがですか?

 「クエンティンやアメリカ映画界の人たちは、俳優としてはかかわるけど、日本の映画製作まではいかない。配給先として日本を大事だと思っていますが、一緒に映画を作ろうとは思ってないですね。それほど日本映画は何十年も遅れています」

 −−今の日本映画界もダメだと。

 「僕は今の映画界に革命を起こしたいと思っているんです。そのために、各地で取材をしたり構想を練ったり、脚本も自分で書いています。特に日本は、国が映画に関して金を出さない。映画を日本の文化にすることをしない。今、息子の真剣佑(まっけんゆう)と日本で一緒に住んでいるんですが、親が言うのもなんですけど、息子は普通の男の子だけど何か違う。公表していませんが、彼はアメリカで短編映画を1本作り、それがサンフランシスコで賞を取ったこともあります。やはりモノの捉え方が日本の男の子と違うんですね。彼は海外生活の方が長かったから、日本の事でピンと来ないことが多い。だから彼は今、一生懸命日本を勉強し、演技でも分からないと夜中でも僕に聞いてくる。日本映画もたくさん観ていますが、そんな彼が『お父さん、今の日本の映画はだめだ』と言っています。僕はあるパーティーで下村文部科学大臣にも言ったんです。日本の教育は歴史に力を入れていかないといけない。なぜ歴史が必須科目ではないのか。国語、文化、歴史を、これからの世代にもっと伝えていかなければ日本はダメだと。大臣の奥さんも喜んでくれて『その通りだと思います!』と言ってくれました」

 −−日本文化は失われつつあるわけですね。

 「今は、戊辰戦争も知らない若い子たちが多い。例えば、夜の銀座に遊びに行っても今時の若いお姉さんは、何も勉強していない。飲んでいても話がつまらない。『何食べて来たんですか〜?』なんて、大きなお世話だよ! って感じです(笑)。だから銀座は衰退しているんです。何々の映画を観ました、あれはこうですね、あの古い映画は良かった…なんて言ってくれたら、お、映画の話ができるね、また来るよってなる。そこへいくと京都の舞妓さん、芸妓さんたちはしっかり勉強させられているから違います。日本の良き文化を大切にしている。銀座や祇園は、夜の社交場ですからね」

 −−ところで、脚本を書いていることは初めてうかがいましたが…。

 「もう7本くらい書いています。僕の場合、深作欣二さんから脚本作りを勉強しました。お土産を持って事務所にお邪魔して、了解を得てずっと深作監督の脚本作りを見ていたんです。実は僕が書いた中で、ロバート・デ・ニーロと高倉健さんに出演して頂きたかったものがあるんです。だけど、残念ながら実現する前に健さんが亡くなられてしまって。他にも10年ぐらい前から映画化したいと思っていたのもあった。森村誠一先生の『星の陣』という小説です。これは7人の戦争体験者のお爺ちゃんたちが悪と闘う面白い話なんですが、なにせ主役が70歳以上。これは、僕は出来ますが、他がいないんです。文ちゃん(菅原文太)に話した時は乗り気になってくれたんですけど、文ちゃんも亡くなってしまった。だけど、これから2本、映画製作は実現する予定です」

 −−それはどのような映画でしょうか?

 「まだ詳しくは話せませんが、1本は時代劇です。今、日本特有の時代劇が全然ダメだと思いますね。何年か前に人気俳優を使った時代劇がありましたが、チャンバラシーンがあり得ない。殺陣指導を中国殺陣師に指導させたということで、確かに見た目は派手な立ち回りですが、日本刀ではあり得ない。僕は嘘のない時代劇を作りたいんです。日本映画に誰かが革命を起こさないとダメなんですよ」

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