「中国最大の検索サイト百度に《反逆者と断定した劉暁波(リュウ・シャオボー=56)氏が、2010年にノーベル平和賞を受賞し、強く反発した中国に対する埋め合わせではないか》というスレッドが立ちました。それもそのはずで、中国の高学歴の若者は『ハルキ』は知っていても、莫氏のことは“誰?”ですからね。知っているのは上級共産党員だけですよ」(在日中国人ジャーナリスト)
そう言われれば、アカデミーがコメントした受賞理由ものっけから「政治的意図はない」と、積極的な称賛はなかった。わざわざこのようなコメントを加えるほど、受賞には困惑の表情さえ見て取れるのだ。莫言という筆名は、中国で“喋るな”という意味。こうなると、名は体を表すを通り越してブラックユーモアだ。
一方、中国は裏でドイツとも組んだのではないかと疑われるのが、反日デモ後の日本車の販売低下である。
「中国の9月の新車販売台数は、前年同月比トヨタ49%減、ホンダ42%減、日産も35%減と軒並み討ち死に。対してBMWは60%増、フォルクスワーゲンの高級車部門アウディは20%増、メルセデスベンツは10%増でした。ドイツの高級車メーカーは、日本車からの乗り換えキャンペーンを実施中で、これが功を奏した格好です。当局の許可なしには、こんなキャンペーンができるはずはなく、現にアメリカ車はやっていません」(自動車ライター)
ドイツの“中国向け”日本叩きは自動車にとどまらない。デモと時期を同じくして、今まで何も問題のなかった“楽器”の持ち込みについて突然イチャモンをつけ、密輸の疑いで押収するというエゲツナイことが相次いだのだ。
EU(欧州連合)では、430ユーロ(約4万3000円)以上の物品を持ち込む場合、申告が必要だが、課税するかどうかは税関の判断だという。事が起きたフランクフルト税関の主張は「転売する可能性があった」としているが、身分のはっきりしている音楽家に対して、まるで狙い撃つような行為だ。地元ドイツ在住商社マンの一人は「怪しい中国マネーに屈しただけなんじゃないの」と吐き捨てた。
真相は闇の中だ。