※延長10回
▽25日 14回戦 オリックス4勝9敗1分け
メットライフドーム 観衆 18,039人
「チャンスはあったと思う」
と福良監督が振り返っていたように、西武のエース菊池雄星から、2回、3回、4回と得点圏に進めてチャンスを作った。2回は無死1、3塁、4回は無死2塁から後続が凡退。7回まで西武打線を外崎修汰の12号ソロホームランの1失点と、10勝目を目指し好投を続けていた先発のアルバースを援護できなかった。
7回表には先頭の武田健吾が二塁打を放ち、チャンスを作ると、宮崎祐樹が送りバントで、1死3塁の大チャンス。ここで打席に立った若月健矢は、強く叩きつけるショートゴロを打つも、武田の代走・小島脩平はバックホームせず。結果的に、続く大城滉二がアルバースの好投に応えるため「とにかく気持ちで打ちました」というセンター前へ同点となるタイムリーが出たから良かったものの、この采配については疑問が残ったので、試合後、指揮官に質問すると「あそこは若月と大城の2人で行くということでしたので(小島はいかなかった)」と話し、ゴロゴーのサインではなかったことを明らかにした。
この日は“オリの神童”山本由伸が、アルバースの後を受けて初めて回の途中、2死1、2塁の場面から登板。ブルペンでは「浅村(栄斗)さんに合わせていた」と予め言われていたそうで、注文通り浅村をサードフライで打ち取り、ピンチを凌いだ。9回は吉田一将が46試合目の登板も3人で打ち取り、今シーズン13度目の延長戦へ。ここで前日に回またぎをした上でサヨナラ打を打たれた“新守護神”増井浩俊を連投させたが、先頭の中村剛也にヒットを打たれると、送りバントで1死2塁のピンチを招き、代打の森友哉にサヨナラ2塁打を許し、連夜のサヨナラ負けとなってしまった。
「これだけ延長が多かったら仕方がない。常に厳しい場面で投げているわけですから、もうちょっと楽な場面で投げさせてあげないと…(増井は)きのうよりは良かった。信頼は変わらない」
指揮官は、連夜のサヨナラ打を許した“新守護神”をかばった。増井も「あそこまで持って行かれてますからね。もっと低めに投げないと。(制球は)昨日より良かったと思います」と課題を挙げつつ、前日よりも制球が良かったことを明らかにしている。
しかし、今シーズン初の6連敗。借金は「3」、首位・西武とのゲーム差は9.5まで広がってしまった。最後は、報道陣から聞かれる前に、自ら「何とか取りにいかないとですね」と切り出し、27日からの2位・日本ハムとの札幌3連戦での巻き返しを誓ったが、中継ぎ陣の疲労はピークを迎えており、この3連戦では、野手も試合後にアイシングをしながらメットライフドームの長い階段を登る姿が見られた。
「ピッチャーが頑張ってくれてるから、俺らが何とかしないと」
これは帰りの階段で後藤駿太から出た言葉。
夏の札幌決戦でズルズル行くのを止めて、ビジター9連戦(1日の移動日を挟む)を終えてもらいたい。
文・取材・写真 / どら増田、垪和さえ