9月26日、脅迫の実行役とされる元幹部の男の公判が名古屋地裁(伊藤大介裁判官)であり、経営者の男から指示を受けて、捜査情報を漏えいさせる見返りとして、「現職や元職の警察官4人に現金を渡した」と述べた。また、4人のうちの1人に、高級外車のベンツを買い与えたことも証言。愛知県警と同グループとの癒着が浮き彫りになった。
また、元幹部の男は弁護側の被告人質問で、経営者の男が08年まで現金を賭けた「賭けゴルフ」を主催し、現役やOBの警察官4人が参加していたと説明。「(ゴルフに負けて)警察官に17、18万円を取られたこともあった」と証言した。
元幹部の男は11年6月以降、脅迫事件の発覚を逃れるため、経営者の男らの指示で沖縄県などに逃亡していた。
検察側は論告で「脅迫事件は経営者の男が首謀したが、(元幹部の男が)果たした役割は大きい」として、元幹部の男に懲役1年6月、罰金40万円を求刑した。弁護側は「暴力団や警察官との関係を誇示する経営者の男に絶対的服従を強いられ、指示命令に従った犯行。反省もしている」と述べ、執行猶予付きの判決を求めた。判決は10月11日。
また、27日には経営者の男の論告求刑公判が名古屋地裁(前田巌裁判長)であり、検察側は「反社会性の強さは際立っており、大胆不敵で悪質な犯行」として、懲役3年6月を求刑。ただ、元幹部の男が現金や高級車を県警関係者に渡したと証言したことに関しては、求刑前に行われた被告人質問で「指示していない」と否定した。
(蔵元英二)