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活動期に入った地震列島の「ノアの箱舟」はどこだ?

 「地震大国」日本。すでに日本列島が活動期に入ったとする専門家も多く、全国にもう逃げ場はないのではないかとも思える。6月18日の大阪北部地震(震度6弱)以降、26日に千葉県南部(震度4)や広島県北部(震度4)を震源とした、やや大きい地震が続き、巨大地震への警戒が強まっている。果たして国内に「ノアの箱舟」の安全地帯はないものなのか。

 昨年9月、日本地質学会で、「首都機能を移転するなら吉備高原がベストではないか」という議論が交わされ、注目を集めた。
 「吉備高原は岡山県、広島県、兵庫県にまたがり、標高300〜700メートルで比較的なだらかに隆起した地帯。地震や火山などの災害のリスクを考えた結果、3500万年前から安定していることなどから、首都機能を移転する場合はうってつけなのだといいます」(サイエンスライター)
 岡山県内を走る活断層は、現時点で分かっているものが3本のみで少ない。そのため使用済み核燃料の最終処分場候補地として挙がるほどだ。

 他に安全と言える地域はないのか。防災ジャーナリストの渡辺実氏に聞いた。
 「どの場所も一長一短があり、絶対に安全な場所などありません。ただ、首都圏に近いところで言えば、群馬県高崎市周辺がいいのではないか。6月17日に渋川で震度5弱の地震がありましたが、1918年からの観測史上初めてと言われました。あの辺りは地盤も安定しています」

 地震の少ないエリアといえば、太平洋側よりも日本海側のイメージが強いが、日本海側にはひずみ集中帯がある。
 「日本海東縁変動帯や、新潟-神戸ひずみ集中帯が有名で、日本列島で特に地殻のひずみが大きいと推定されている帯状の領域です。最近では1983年の日本海中部地震、1993年の北海道南西沖地震などが発生している。しかし、北海道の場合、道東はマグニチュード9クラスの巨大地震が発生する確率が高いものの、中央部の旭川は比較的安全と言えます。問題は寒さだけです」(同)

 ほか、西日本では山口県も挙げられるという。
 「中でも日本海側の萩市あたりでしょう。瀬戸内海側もあるが、南海トラフ巨大地震が発した際、津波にわれる危険がある。それに比べて日本海側はひずみ集中帯もなく、地震動による被害の心配はあまりないように思われます」(同)

 先人たちは「地震が来たら高台へ逃げろ」「地震が来たら竹やぶへ逃げろ」と言い伝えてきたが、現代では高台にもビル群が立ち並び、ましてや竹やぶなどあろうはずもない。地震発生時は、帽子等で頭部を守り、足回りはスニーカーのような動きやすいものにするべきだ。それともう一つ、近くにいる人との助け合いが一番重要だということを忘れてはならない。人を救うのは人しかいなのだから!

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