だが、「平成の紅白」を振り返るにあたって、扱いに困る出演者が多いのも確かである。その代表格はSMAPであろう。1991年から2015年にかけて通算23回出場しており、2003年にはヒット曲『世界に一つだけの花』で大トリを務めている。グループによる大トリは紅白史上初である。
ただ、SMAPは2016年末にゴタゴタの末に解散している。さらに、1996年にオートレーサー転身のため脱退した森且行の存在もあり、何重にも取り扱いが難しいグループである。かといって、ジャニーズ事務所の後輩グループである嵐・櫻井司会の番組で、SMAPにまったく触れられないのも不自然ではあろう。
このほかにも取扱注意なアーティストは多い。ジャニーズ系ではTOKIOがデビューの1994年以来連続出場記録を続けてきたが、2018年に山口達也氏の未成年女性への強制わいせつ事件を受けて、連続記録は24回でストップした。山口氏は現在も復帰しておらず、番組ではどういった扱いになるのか気になるところである。
また、2009年に覚せい剤で逮捕された“のりピー”こと酒井法子も問題だ。意外にも彼女はアイドル歌手時代は紅白出場歴はなく、1995年に披露した「碧いうさぎ」が唯一の出場回である。この曲は彼女が出演したドラマ『星の金貨』(日本テレビ系)で耳が聞こえない看護見習い役を演じたことから、紅白史上初の「手話付きパフォーマンス」が行われた。平成の紅白史としては大きな話題といえるだけに、この話題に触れらるのかは気になるところだ。
さらに、3年連続の落選で「紅白」への恨み節が全開の和田アキ子、反社会勢力との関わりが取り沙汰され、紅白を卒業させられたともいわれている細川たかしなど、扱いが気になる出演者は多いといえそうだ。