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韓国大統領選に米トランプがカードを切る 保守派の“ジョーカー”

 3月3日、韓国前大統領の朴槿恵容疑者の罷免に伴う5月の大統領選に向け、左派系最大野党『共に民主党』は、各地の予備選で57%の得票率を得た文在寅(64)前代表を党公認候補に選出した。5月9日に予定されている韓国の次期大統領選挙で左派=反日が勝てば、日本政府は対韓政策の全面的な見直しを迫られる。ソウル拘置所に収監された朴槿恵前大統領の有罪は確実な情勢だが、この事態は日本にとって対岸の火事ではない。
 「保守本流の流れをくんで誕生した朴槿恵政権が、反対勢力に敗れた結果が今回の弾劾? 収監なのです。というのも、朴大統領の本当の“罪”は、2011年8月に内乱陰謀を画策したとする『統合進歩党』李石基議員に対する逮捕同意要求書を国会に送致したことと、これにより80万人の会員を有する左派系の『民主労働総同盟』と左派の運動圏を一斉に敵に回し、さらに政権批判を繰り返す全国教職員労働組合を非合法団体に指定したこと。つまり、保守派による左派弾圧です。この勢力が『5万にも及ぶ数が韓国に潜伏している』(最高位亡命者:黄長燁談)と言われる北朝鮮工作員と結託して大規模なデモを仕組み、世論を装って朴氏の弾劾を実現させたのが今回の逮捕の真相です」(元ソウル特派員)

 世論調査によると、次期大統領選候補者で支持率が33%と最も高いのが野党『共に民主党』前代表で保守派から“極左”と位置付けられる文在寅氏。続いて同党所属で中部忠清南道の安熙正知事(18%)、野党『国民の党』の前共同代表だった安哲秀氏(10%)が追っている。一方、保守陣営候補は大統領弾劾の影響もあり、ことごとく支持率は一桁台。完全な“玉不足”に陥っているのだ。
 「つまり保守派は左派乱立の間隙を突くしかないわけで、これには日米韓の北朝鮮包囲網崩壊を恐れる米国も焦っている。CIAは米国経験が豊富な中央日報前会長の洪錫炫氏を担ぎ出そうとしているのです。3月19日付で会長を辞任したのは出馬準備のためです」(朝鮮半島ウオッチャー)

 洪氏はソウル大学電子工学部を卒業し、米スタンフォード大学で博士号を取得。駐米大使などを歴任するなど親米派の重鎮だ。
 「しかしながら“財閥憎し”の世論を敵に回すことになりかねません。というのも、贈収賄罪で朴氏とともに起訴されたサムスン電子の李在鎔副会長とは姻戚関係。姉が李健熙サムスン会長夫人ですから、李副会長は義理の甥にあたります」(同)

 果たして、米国による水面下の工作はどこまで功を奏するか。その答えは1カ月後に出る。文在寅氏は親北政策を進めた盧武鉉元大統領の後継者として、経済的に北朝鮮を潤してきた開城工業団地や金剛山観光の再開も明言している。中国が強く反発する米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備については「次期政権で決めるべきだ」と繰り返し、反対する本音をのぞかせている。
 これに対して、トランプ大統領は「力のスペード」か「金のダイヤ」か、どっちのカードを切るのか。それとも相手(韓国)の懐(大統領選)に“隠しカード”(ジョーカー)を持って手を突っ込む気か…。キナ臭いニオイがしてきた。

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