ファン投票、堂々の1位。並み居る名馬を押しのけたウオッカが、新たな勲章を引っ提げてグランプリに挑む。
前走のジャパンCは4着。世界の超一流馬と伍して、最後方から見事な末脚を見せた。勝てないまでも、ダービー馬の存在感を存分に示した。しかも、この中間はさらにデキが上向いているという。
「エリザベス女王杯を回避してあのレースを使ったわけだけど、反動はまったくない。この中間は落ち着きがあって、さらに気配は良くなっている」と村山助手は胸を張った。
2週前はCWコースでさっと流したが、動きは実に軽快。蹄球の不安で凱旋門賞、エリザベス女王杯を回避することになったが、今はその心配もなさそうだ。
「本当にしなやかでいい動きだったからね。今はすごくいい状態だと思う」
春のグランプリ、宝塚記念は道悪や道中の折り合いに苦心してまるで力を発揮できずに終わった。悔しい思い出ばかり残る結果になったが、暮れのグランプリはひと皮むけた姿で臨む。JCで先着を許したメイショウサムソンが強敵になるが、負担重量を考慮しても逆転の目は十分ある。
「有馬は女性や普段馬券を買わない人も参加するお祭り。そこでたくさんの人に応援してもらえるのはうれしいことです。チャンスはあると思っている」
3歳牝馬でのグランプリV。ダービーに続く大偉業を夢見ている。
【1週前追いVTR】輸送を控えた牝馬とあり、これが事実上の本追い切り。CWコースで5F64秒0、上がり3F36秒1→12秒1をマークした。3頭併せで前2頭が大きく先行。それを追走する形で3角から猛然と追い上げていった。直線入り口で追いつくと、あとは手綱を抑えたまま馬なりでフィニッシュ。この馬にしてはハードな追い切りを消化し、態勢はほぼ整った。