昨秋はセントウルS9着に続き、スプリンターズSでも10着に惨敗。体調が万全ではなかったとはいえ、GI馬としての輝きを失いかけた。しかし、前走のマイルCSで意地を見せた。久々のマイル戦にもかかわらず3着と底力を発揮した。
「昨秋は使いながら徐々に調子を上げてきたけど、正直、マイルCSでもピークとはいえなかった。それでよく頑張ってくれた」と影山助手は完調手前での好走劇に満足げな表情を浮かべる。
その後は放牧に出され、栗東には年明けに帰厩。2カ月間、みっちりと乗り込まれてきた。体はできていても肝心の動きがそれに伴ってこなかった昨秋と比べると、ケイコでの反応も上々だ。
「今回はいい調整ができている。何の不安もなくきているし、具合が本当に良くなった」。振り返れば、昨季は年明けから3連勝で春のスプリント王の座に就いた。体質的にも、冬から春にかけてが合うのだろう。
この後はもちろん、昨年に続く高松宮記念の連覇がかかる。それだけに休養明けといえども、ここは結果を出してGIへと陣営も気合が入る。
「59キロが課題になるけど、ここで格好をつけないことには本番なんていっていられない。何とかいい結果を出したい」
高齢馬の活躍が目立つ昨今、しぼむにはまだ早い6歳馬が、春の到来を目前に、再び花開くか。
【最終追いVTR】幸騎手を背にDWコースでロングベネフィット(古馬1600万)を3馬身追走。直線入り口で馬体を併せると、最後は5馬身突き放してゴールイン。5F68秒2、上がり3F40秒1→12秒4(一杯)をマークした。動き自体は軽快そのもので、追ってからの反応も抜群。久々だが、仕上がりは万全だ。