弥生賞出走馬から5頭の皐月賞馬と4頭のダービー馬が誕生しており、クラシックを占ううえで必見のレース。今年も2歳王者をはじめ、好メンバーがそろった。ただし、人気どころに少なからず死角が見え隠れするのも事実。波乱の幕切れも十分あっていい。
格では暮れの朝日杯FSを勝ったドリームジャーニーがナンバーワンだが、今回は3カ月ぶりの実戦。今週の最終調整ではテンに引っ掛かって終い1F13秒2(強め)と失速してしまった。陣営はオーバーワークを懸念していたし、もともと410kg台の小柄な馬で長距離輸送、初の2000mなど不安材料は多い。
武豊騎乗で人気を集めそうなシンザン記念馬アドマイヤオーラも、唯一の敗戦が牝馬においでおいでをくらった1800m。一昨年2着の兄アドマイヤジャパンとは体形そのものが違うし、マイルが限界だった母ビワハイジに似たタイプの気がしてならない。
東の秘密兵器マンハッタンバーの一発に期待。
「能力は間違いなくあると思うんだけど、とにかく気難しくて…」と佐藤吉師を悩ませているが、ソエから復帰後は(10)(3)着と尻上がり。実際、今週の3頭併せでも後ろから追い掛ける予定が、テンから行ってしまい、5F標で鞍上の横山典騎手がスピードを緩めて、後ろの2頭に抜かせてから再スタートするチグハグぶり。が、スピードに乗ってからの動きは素晴らしく、5F62秒4→49秒0→35秒9の好タイムをあっさりマーク。追われてからの反応も鋭く、ラスト1F12秒4(強め)でフィニッシュした。「デキは申し分ない。力も足りるので、あとは競馬にいっての精神状態。落ち着いてさえいれば」と同師。
心身ともにまだ完成途上なのは確かだが、逆にいえばそれだけ伸びしろがあるということ。ポテンシャルの高さはデビュー戦を芝1800m1分49秒5の破格の時計で楽勝、ジャングルポケットのレコードを0秒1塗り替えたことで証明済み。2000mの前走では上がり3F34秒0の末脚を繰り出しており、距離もどんとこいだ。名手・横山典騎手も3度目の騎乗で手のうちに入れたはずで、エンジン全開のおぜん立ては整っている。