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ノーブレイク? なプロレス系芸人

 神奈月やユリオカ超特Q、アントニオ小猪木や長州小力のように、プロレスラーに扮するピン芸人がいる。いっぽうで、プロレスそのものをネタにする、プロレス大好きコンビもいる。現状、彼らから売れるオーラはまったく見えないが、ライブ会場でのウケは悪くはない。そこで、そんな“うつけもん”的な要素が多い若手3組を紹介しよう。

 まずは、オキシジェン(三好博道&田中知史)。ホリプロコム所属のふたりは、漫才もコントもする本格派。だが、テレビで放映されるのはほぼ、プロレス技を駆使した縦横無尽コントだ。打点の高いドロップキック、しっかりとホールドするフロムジャム、タイガーマスク顔負けのローリングソバットなどは、観る者を笑わせる前に感心させる。プロレスの経験が皆無と思えない、ホンモノ志向だ。

 弾丸ジャッキーなどが所属するニュースタッフプロダクションに籍を置くのは、3フランシスコ。西口プロレスで闘ってもいる小橋太っ太、小高山善廣に、レフェリー的な役割をはたしている林田竜次のトリオ芸人は、コントの入り=リングインという設定。昨年現役を退いた小橋建太、“Mr.帝王” 高山善廣がモチーフになっており、彼らの得意技を中心に、コントは進行していく。これが不思議なことに、プロレスに興味がなくても、選手データが頭に入っていなくても、雰囲気で笑えてしまう。女性も笑わせてしまう、文字通りの腕力がある。

 最後に紹介するのは、マセキ芸能社に所属するエル・カブキ。エル・サムライとザ・グレート・カブキをミックスさせたリングネーム…ならぬ芸名からもわかるとおり、林寿夫と上田雪博は大のプロレス&格闘技好き。ブログのタイトルも「セカンドロープからブレンバスター」で、マニアの心をしっかりつかむ。基本はオーソドックスな漫才。ボケにプロレス語録や実話をはさんでいくパターンがおもだが、ボケのすべてを神取忍で固める博打ネタもある。神取のネームバリューが幸いしてか、これが意外とウケる。

 “キングオブスポーツ”を標榜する新日本プロレスの人気が盛り返してきた今、プロレス人気は確実に再燃している。となれば、彼らプロレス芸人の未来も明るい! …かもしれない。(伊藤由華)

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