小沢グループがついに動いた。消費税増税関連法案に反対し、小沢氏が衆院38人、参院12人の計50人を引き連れ新党を結成し、政界再編を仕掛けるのだ。小沢氏が決別した民主党はもはや死に体だ。
「今後は自民党との連立を模索しないと重大な法案は何一つ通せない。その一方で党内には小沢シンパとして知られる鳩山由紀夫元首相らも残留する。内閣不信任案をちらつかせながら野田佳彦首相に対し、党内から揺さぶりをかける算段です」(民主党関係者)
政界再編を睨んだ小沢氏の次の一手が、橋下徹・大阪市長率いる“大阪維新の会”との連立構想だった。
「橋下氏の理想は官僚機構をぶっ壊すこと。そのためには手練手管に長けた小沢氏のアドバイスがいる。かの小泉政権や民主党でさえ、結局は官僚に操られてしまった。また、小沢氏が長年永田町で培った組織力と資金力には学ぶべきところが多い。脱原発、反増税という政策でも小沢氏とは一致し相思相愛だった」(小沢系議員)
ところがイザ、王手という段階になって想像もしなかった難局が小沢氏の前に立ちはだかった。民主党離脱を発表した直後になって「“維新の会”と新党との連立は白紙にする」という正式見解が橋下氏から伝えられたのだ。
「ギリギリまで本気で橋下氏は連立を考えていた。そもそも側近からは大反対されていたんです。そんな橋下氏の気持ちを翻意させたのが週刊文春で報じられた小沢氏の妻である和子夫人との離婚劇。直筆の手紙で不倫を暴露された挙げ句、東日本大震災後、放射能が恐くて被災地に入らなかったこと、挙げ句は国の害になるとまで指摘された。これが決め手となった。橋下氏が世間から支持される根幹に7人の子供という大家族が売りになっている。夫人から三行半を突きつけられた小沢氏と組むことはイメージ上、かなりのマイナス。妻を敵にした小沢氏のワキの甘さが墓穴を掘った」(政界事情通)
維新関係者がさらに畳みかける。
「会の政策に賛同するなら新党立ち上げを取り止めて、“維新の会”に入ればいい。そもそも維新は既成政党の打破をスローガンに人気を伸ばした。例の裁判もまた始まる。小沢氏との連立は百害あって一利なしだ」
ダメ押しは“維新の会”が来る総選挙で候補者を全国で擁立することを公表したことだろう。
「小沢氏は政権与党になるために北海道は鈴木宗男氏が率いる新党大地、東海が河村たかし名古屋市長の減税日本、近畿は維新の会、小沢新党は埋まっていない地域でそれぞれ候補者を擁立する構想を持っていたが、維新の会が全国展開を発表したことで目論見は消え去った」(小沢系議員)