長門によると、南田は今回の長門の舞台が始まってから、朝にはかかさず手を振って送り出していたという。しかし、17日朝、寒さを訴え、長門が「寒いなら今日は見送らなくていいよ」と言うと南田は「ごめんね」と初めて見送りをしなかったそうだ。その日、舞台を終えて7時半ごろ帰宅すると、南田は大量に嘔吐しており、すぐに救急車で搬送。検査の結果、重度のくも膜下出血と判明した。
頭の中の水を抜くため、手術が必要となり、手術前には「3分の1の確率で命を落とす、さらに3分の1の確率で植物人間化、残りの3分の1の確率で以前の状態に戻る」と言い渡されたという。長門は手術を終えた今の状態を「今、生きているのは洋子じゃない。機械なんです。人工呼吸器で、自力の呼吸はできない。こうしている今も、血圧は下がり続けています」と悲嘆にくれながらも冷静な口調で説明。しかし話を続けるうちに感情は抑えきれなくなり、「(今の南田は)すべての人間の機能を失った元洋子のむくろでしかない」とやりきれない気持ちを表情ににじませた。
05年ごろに認知症を患った南田をずっと介護してきた長門。今回の事態に「死ぬことをただただ待つという、こんな無駄な時間があったのか…。時間が恨めしいですね」と唇をかみめしていた。