「期限切れで東証の上場廃止基準に抵触する可能性が高い」と一部の海外メディアが報じたのを機に急落。続けて、大株主の投資ファンドなどが上場維持を要請したのを受けて急騰。投資家は些細な情報にも一喜一憂した。
「第三者委員会や監査法人は、何としても期限内の発表にこぎつけたい。しかも総資産が公表されている損失隠し額を上回るため、懸念されている債務超過の事態は回避できる公算が強い。むろん虚偽記載の悪質性は問われますが、それを踏まえて関係者が、東証や金融庁などに水面下で『ここは穏便に』と働きかけています」(金融情報筋)
その際の苦し紛れの“殺し文句”が「非上場となって解体に弾みがつけば、ドル箱の内視鏡事業が海外企業に乗っ取られかねない」ということ。実際、同社を巡っては不穏な動きがあった。米ゴールドマン・サックス証券(GS)が6.67%保有の筆頭株主に躍り出たのだ。
「GSは、まるで事件発覚を事前に察知したかのように大量の空売りを仕掛け、同社株の暴落に乗じて買い戻し、30億円近い利ざやを稼いだ。正直こちらの方が問題だとの声が燻っています」(市場関係者)
つまりは自己売買と機関投資家からの注文を受けての利ざや稼ぎ。前出の市場関係者が喝破する。
「株の長期保有など眼中にないGSは、上場廃止か上場維持になるかのタイミングを見計らって次の行動を起こすに決まっている。廃止ならばオリンパスに食指を動かしている内外企業に高値で譲渡。維持ならば発表と同時に株価が急騰する。そのタイミングを見計らって売り抜けば再び大儲け。どう転んでもハゲタカの笑いが止まらない図式なのです」
果たして、小誌が発売される頃には、どのような展開になっていることやら。