真央は「フィギュアスケートグランプリファイナル」出場のため、カナダ・ケベックに滞在していたが、母の容態急変の報を聞いて、同大会の欠場を決断。8日(現地)に急きょ、帰国の途に着いたが、飛行機が成田空港に到着した時点で、すでに匡子さんは息を引き取っていた。親の死に目にも立ち会えないスポーツ選手の悲哀を、痛切に感じさせた出来事だった。
主役の真央不在で心配された同大会。日本では10日(男女ショート)、11日(男女フリー)にテレビ放送されたが、中継したテレビ朝日系列での視聴率は、10日(午後7時13分〜9時21分)=14.3%(数字はいずれも関東地区、平均)、11日(午後7時2分〜9時24分)=17.7%で上々の数字だったことが分かった。
10日土曜日こそ苦戦したものの、11日日曜日は日本テレビ系列の「TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップ準々決勝・柏レイソルvsモンテレイ」とも重なったが、同番組は15.3%。一部時間帯で少し放送がかぶった「日曜劇場・南極大陸」(TBS系列)は16.7%で、これらの人気番組に打ち勝つ根強い人気を示した。
浅田が出場した先の同シリーズ・ロシア大会の視聴率が、11月25日(女子ショート)=16.3%、26日(女子フリー、男子ショート)=18.2%で、ファイナルはやや数字を落とした。それでも、男子の高橋大輔や女子の鈴木明子らの健闘もあり、立派な視聴率をマークした。大幅ダウンをも覚悟していたテレビ朝日関係者も、胸をなで下ろしたに違いない。
(落合一郎)