1983年4月に放送開始した『おしん』は、直後から大人気となり、第186回の放送では、最高視聴率62・9%を記録。また、日本だけでなく、香港やフィリピン、インドネシアなど世界68カ国で放送され、世界で最もヒットした日本のテレビドラマになった。
「NHKの番組ページでは、同窓会おしんの出演者に、小林綾子、伊東四朗、泉ピン子、大橋吾郎、東てる美、並樹史朗らの名前が記載されていますが、肝心の青年期を演じた田中裕子の名前がありませんでした。1年間の放送中、小林綾子が演じた少女期を除く、ほぼ全編に登場した田中がいないことで、早くも期待ハズレの声が上がっています」(エンタメ誌記者)
ネット上では、
《あれ、田中裕子でないのか? そりゃ同窓会にならんだろ》
《メイン不在かよ。NHK何とかしろよ!》
《考えてみれば、小林綾子なんてほんの数話しか出てないもんな。田中どうしたんだよ》
《めちゃ期待してたのに、がっかりした。やっぱ橋田センセイのせいかな?》
など、落胆の声が広がっている。
現在、『おしん』はBSプレミアムで絶賛再放送中で、リアルタイムの『スカーレット』にも負けずとも劣らない人気を博している。一体、なぜ田中は出演しないのだろうか。
「本来であれば、田中が出演しないというのはあり得ない状況ですが、番組関係者の一部からは『いまだに確執が残っている』との声も聞こえてきます。橋田壽賀子氏の脚本は役者にとってかなりの負担があり、当時の撮影現場は常にピリピリしていました。田中もほぼ休みなく撮影に臨んでおり、あまりの過労から突然倒れ、1カ月間、撮影が休止したこともありました。本人にしてみれば、大きなトラウマになっているのかもしれませんね」(芸能記者)
『おしん』は過去に何度か再放送されているが、84年の放送では、田中の所属していた文学座の許可がおりず、小林綾子が演じる少女期しか流れなかった。このときは、おしんのイメージが強くなってしまうことを田中が嫌ったといわれていたが、本当の理由は、橋田氏との不仲が原因だと囁かれている。
数々の苦難を耐え忍んだおしんだが、橋田氏だけはいまだに“耐えられない”というのが、偽ざる本心なのかもしれない…。