羽生は公開練習中に転倒し、右足首を故障。急きょ、演技構成を見直して優勝し、松葉杖姿で表彰台に上るシーンに世界中が感動したのである。
「ただ、予定されていたエキシビションの出演は見送りました。今までの羽生なら、松葉杖をついてまで人前には出なかったはず。かなり重症と見ていいでしょう」(スポーツ紙記者)
言うなれば、平昌五輪の“再演”である。
羽生は昨年11月のNHK杯前の公式練習中に重傷を負った。一時は選手生命すら危ぶまれたが、GPファイナル、世界選手権、そして平昌五輪の団体戦まで回避し、ぶっつけ本番で金メダルを獲得したのだ。
ロシア杯での羽生の姿に当時を重ね、再び涙したファンも多かったようだが、事態は思ったより深刻だ。
「痛めた箇所が、同じ右足首なんです。ロシアの病院で診察を受け、『3週間の安静』と診断されました。額面通りに捉えれば、12月6日開幕のGPファイナル、同20日の全日本選手権は出場できません。本人は『出る』と言っていますが…」(同)
周りの関係者は、「今回は無理をするべきではない」と、必死で説得に当たっているという。
「帰国後、羽生はもう一度、日本の大きな病院で診察を受け直す予定です。羽生はセカンドオピニオンとして、早期復帰を後押しするような結果を期待しているが、周囲はヒヤヒヤですよ」(連名関係者)
関係者たちが最も懸念しているのは、「同じ箇所の故障」であること。けがを負った原因も同じ着地の失敗で、けがが慢性化することを恐れているのだ。
「羽生は12月で24歳になります。他競技のアスリートからすれば、これから脂の乗ってくる年齢ですが、フィギュアスケーターとしては早くも年齢的な問題がチラついてくる。次第に無理も利かなくなってくるはず。けがと強行出場の繰り返しになれば、選手生命が短くなることも避けられないでしょう」(同)
ナルシストとしても金メダル級の羽生くん。少女マンガの王子様よろしく、傷つきながらも最後は勝つ自分に酔いしれているフシもある。それに熱狂するにわかファンは別だが、本当のフィギュアスケートファンは少しでも長く彼の演技を見続けたいと願っているはずだ。今回だけは、どうか考え直していただきたい。