地元紙『ボストングローブ』(電子版)によれば、先発ローテーションの5人枠から落選する可能性もあると伝えていた。
『エンゼルスから獲得したジョン・ラッキー、そして、ジョシュ・ベケット、ジョン・レスターの3人の当確は『確実』とし、『残り2枠』を、松坂とクレイ・バックホルツ、ティム・ウェークフィールドが争う』
興味深いのは、同時に紹介されていた著名人ファンのコメントだ。
米マサチューセッツ州選出の上院議員、コット・ブラウン氏がテレビ番組に出演した際のことだ。「レッドソックスの大ファンだそうですが、先発投手を5人挙げて下さい」と司会者に質問され、松坂の名前を挙げなかったのである。厳密に言えば、松坂の名前も答えたのだが、
「レスター、ラッキー、ベケット、バックホルツ、ウィークフィールド。あと、松坂?」
と、付け加えた程度。6人目に挙げただけにすぎない。
おそらく、同上院議員のコメントは大多数のファンの気持ちを代弁したものだろう。
「昨季はわずか4勝(6敗)。松坂の不調がチームの低迷に繋がったと言っても過言ではありません。昨年は日本の週刊誌に、調整法を関する首脳陣批判をしています。松坂が謝罪をし、一件落着となったように見られていますが、いまだその『批判発言』を重く受け止めているファンも少なくありません」(米特派記者の1人)
しかし、松坂はオフを返上し、アリゾナでハードな自主トレを行っており、「例年以上に体が引き締まっている」とも。現地入りした日本人メディアもそれは感じ取っていた。
上院議員のコメントで松坂を失笑した『ボストングローブ』(電子版)だが、レッドソックスに関するインターネット投票も行っており、「復活しそうな選手は?」の項目では、松坂がトップにランキングされた。
掲載日を変え、松坂を盛り上げ直した格好だが、こんな指摘も聞かれた。
「レスター、ラッキー、ベケットが今季の3本柱です。松坂はエースとは見られていません」(前出・同)
つまり、ファンは「松坂がローテーションの一角に復帰すればいい」「復活するだろうが、せいぜいローテーションの5番手」としか思っていないわけだ。この屈辱的な評価は松坂も認識しているはず。だからこそ、オフに厳しいトレーニングを課したのだろうが、「この1、2年のうちに、成長株・田澤純一と立場が逆転する」との見方も強まっている。松坂だけが手厳しい評価を受けるのは何故か…。06年オフ、約120億円を出資して獲得した背景があるからだ。投手タイトルを獲得するくらいの結果を残さなければ、ボストンでのブーイングは払拭できないだろう。