search
とじる
トップ > スポーツ > 中日・落合監督 事実上解任の裏側

中日・落合監督 事実上解任の裏側

 中日ドラゴンズの落合博満監督(57)が、3年契約が切れる今季限りで退任することが、9月22日の試合開始前に発表された。

 このニュースはプロ野球ファンを驚がくさせた。中日はまだ優勝の可能性が残っており、しかも首位ヤクルトとの首位攻防戦が目前に控えていた。こんな大事な時期に、なぜという疑問符が付いたからだ。

 落合監督は04年より指揮を執り、04年、06年、10年と3度のリーグ優勝を果たし、07年にはクライマックスシリーズで復活し、日本シリーズを制した。昨年までの7季すべてでAクラスを確保、今季もAクラスは濃厚で、今後の成績次第では逆転Vの可能性もある。歴代の中日の監督のなかでは、戦績だけ見れば最も優秀だ。
 結果を出しているのになぜ退任なのか? 最大の理由は観客動員の悪さ及び球団の財政面だ。ここ3年の観客動員数を見ると、09年は229万8405人(72試合=1試合平均3万1922人)だったが、昨年は優勝したにもかかわらず、219万3124人(72試合=1試合平均3万460人)とダウン。今季は23日現在、175万172人(59試合=1試合平均2万9664人)で微減。落合監督は「勝利が最大のファンサービス」と公言しているが、チーム成績が全く観客動員に反映されない現実がある。

 落合監督といえば、少々のリードがあっても、強攻策を取らず送りバントで走者を進めて、追加点を取りにいくような堅い野球をする。そんな野球が見ていておもしろいワケがない。選手起用にしても人気がある若手選手より、地味な選手を好んで使う。それでは、スタンドにファンが集まるはずがないのだ。また、記者へのコメントも、試合後にひと言だけ発する程度で、メディアを使った宣伝にも極めて非協力的な監督だ。
 落合政権の過去7年間、球団の収支が黒字になったことは一度もない。成績が良ければ、監督、スタッフ、選手の年俸も上がるばかり。それでも、親会社(中日新聞)の経営が良ければなんとかなった。しかし、インターネットの普及により、新聞の売上は激減し、事業の先の見通しが全く見えない状況。これでは、親会社の経営にも影響を及ぼしかねず、球団は人件費削減に迫られていた。落合監督の年俸は3億7000万円(推定)といわれ、他球団の監督と比べ格段に高い。

 会見に1人で出席した佐藤良平球団代表は、退任理由を「一度新しい風を取り入れたい」と語ったが、無論それは建て前でしかない。新監督が落合監督よりはるかに年長の高木守道氏(70)では、若返りにも逆行する。ヤクルトとの首位攻防戦の前に発表したのは、中日が首位ヤクルトに肉薄したら、さらに発表がしづらくなるからといわれている。

 事実上、落合監督を解任した最大の理由は“カネ”以外のなにものでもない。球団は究極の選択として、勝利より財政を選んだということだ。
(落合一郎)

関連記事


スポーツ→

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ