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日テレ 苦しい時の“巨人頼み”

 不況によりコストカットの嵐が吹き荒れるテレビ各局。制作費も大幅に削られ、番組の質が低下。さらに低視聴率にあえぐ悪循環にハマっている。そんな中、日本テレビが“苦肉の策”として来季の巨人戦中継を大幅に増やすという。“神頼み”ならぬ、“巨人頼み”で現状を打開できるか? 「ゴールデンタイムの低視聴率打開のため、何度も上層部の会議が重ねられたが、経費を抑えて視聴率を取る方法が見つからず、結局、巨人戦中継に頼るしかなくなった」(日本テレビ関係者)

 80〜90年代は日テレを含めた各局のゴールデンタイムといえば、巨人戦中継がメインだったが、ここ数年で中継試合数が激減した。
 「04年は133試合も中継され、05年もほぼ変わらず各局にとっておいしいコンテンツだった。ところが、05年に巨人戦の平均視聴率が10.2%に落ち込むと、中継試合数は、06年が106、07年は74、08年は61まで減った。日テレは昨年巨人主催ゲーム72試合のうち、42試合の中継にとどまったが、今年はさらに減って26試合のみ。うちナイターはたった15試合。CS放送の日テレG+では巨人主催ゲーム全72試合を放送し、視聴率はいいらしい。他局もかろうじてBSで放送している」(放送担当記者)

 日テレが巨人戦中継を減らした大きな原因は、深刻なスポンサー離れだったという。
 「制作費はそれほどかからないが、CM料金を以前のままの強気の料金設定で変えないため、スポンサーが枠が埋まらなくなった。それならば、と若者をターゲットにした、お笑いタレント中心の番組編成になった」(同)
 日テレの現在のゴールデンタイムを見渡すと、月〜金は、くりぃむしちゅー、爆笑問題ら日替わりでタレントが司会を務める「サプライズ」、土曜日は志村けんの「天才!志村どうぶつ園」、日曜日は森三中らが出演の「世界の果てまでイッテQ!」など、スタジオとVTRで構成された、似たような番組ばかりだ。
 「その結果、年齢が高い視聴者が安心してみれる番組がなくなってしまい、局にも多少そういった苦情が寄せられるようになった。とはいえ、また新番組を考え出すとコストがかかるから、結果、巨人戦中継を増やすことになった」(先の日テレ関係者)
 では、どの程度まで増えるのか?
 「08年の主催ゲーム42試合を上回る試合数のようだ。その代わり、ゲストのタレントを充実させるなど、何らかのリニューアルは図る。今年、解説の仕事がなくて、いろいろ相談しているうちに江川卓氏のロッテ監督就任説が出たが、これで江川氏もしばらく解説で食いつなげそう」(同)
 こうして決まった巨人戦中継復活だけに、多少視聴率が悪くても局内では大目に見てもらえそうだ。

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