「この日の会談は、菅原さんが平野氏に『小沢さんに会ってチンポを勃たせてやりたい』と“文太節”で頼んだのがきっかけで実現しました。菅原さんの妻が、東京都立小石川高校で小沢氏の1年後輩だった縁もあり、小沢氏は『晩飯を食べながらじっくり話したい』と快諾。小百合さんは菅原さんから声を掛けられて顔を出したようです」(全国紙政治部記者)
密談は2時間以上も続いて盛り上がった。小沢氏は、菅原氏に今後の政治展望を問われると、真っ先に外交問題に触れた。
「国際情勢が、極めて複雑に緊張してきた。東アジアで何が起こるか、想定できない時代になった。腰を据えた外交が日本にとって必要だ」
小沢氏がひとしきり解説を終えると、菅原氏はこう訴えた。
「一極集中、経済成長中心の政策を変えるべきだ。いのちの党は、故郷を大事にする運動を始めている。故郷で先端技術を育てて仕事を作り、地方を活性化させたい。そして、エネルギーと食糧を日本で確保する運動を広げていきたい」
さらに菅原氏は、小沢氏に生活の党の代表辞任どころか、離党を堂々と勧めた。
「衆院選はしばらくないはず。キナ臭い政局から、半年でも構わないので距離を置いて、脱原発、故郷の活性化を進める社会運動に力を入れるのはどうか。野党はどうしても“小沢アレルギー”が強いが、こちらが政治色を薄めれば集まってきやすい。その拠点は、私と小沢サンの出身地である東北がいい。いのちの党を発展させた『東北の党』の結成も考えてほしい」
いったん国会活動から身を引く。何とも大胆な提案だが、小沢氏はうなずきながら聞いていた。そして傍らにいた平野氏に対し、具体的にどういう活動が可能か、菅原氏側と煮詰めるよう指示した。
吉永氏は、小沢氏と菅原氏のやり取りに耳を傾け、こう語った。
「今の政治には失望している。やれることなら何でもやっていきたい」
こうして小沢氏と菅原氏、吉永氏の3人は今後の連携を誓い、会合はお開きとなったという。
小沢氏は、2月の東京都知事選を終えてから小泉純一郎氏と会談を重ね、すでに新党の結成に向けた調整に入っているとされる。ただ政治家として晩年に差し掛かっている小沢氏からすれば、今のまま小泉氏と組むだけでは勝算は怪しい。そこで浮上した“ウルトラC”が、名優2人を新党の顔として担ぐというプランなのだ。
「小百合さんが国政に乗り込むことはないでしょうが、菅原さんは可能性が十分あります。いずれにしろ、話し合いが順調に進めば、例えば名誉顧問のような肩書きで2人には新党に加わってもらい、時間の許す限り最前線で積極的に活動してもらうことになるでしょう。永田町では、小沢氏と小泉氏を『もう終わった政治家』と評する向きが多いのですが、菅原さん、それに何より巨大な“サユリスト票”を見込めるとあれば、“政権再交代”の可能性が一気に高まります」(前出・記者)