「巷の人々がどうピンチを乗り越えたのかドラマ仕立てで見せる番組ですが、ここで兼近は交番の警官役で登場。車で逃走する郵便局強盗を捕まえるべく、信号をすべて赤にしてわざと渋滞を起こし、その間に逮捕するというアイディアで突破していました」(芸能ライター)
兼近と言えば、過去に女子高生の売春あっせんの容疑で逮捕され、罰金刑を受けたことに加え、かつて現金1千万円が入った金庫を仲間4人と元ホストの自宅から盗んだ疑いで逮捕されたことが報じられた(勾留10日で釈放)。
そんな中、兼近の警官役に、SNS上では「兼近の出演シーンカットしないんだな」「exitの実体験かな?」「おまえは犯人側だろ」「ガチの前科もんが警察役かよ」などと違和感を覚えるユーザーも。一方で、主に女性ファンだろうか、「兼近巡査おかえりなさーい!!」「兼近巡査がかっこよすぎて幸せ」「もう会えないって覚悟してた兼近巡査が突破交番に帰ってきた…」と歓喜する声も寄せられている。
そんな中、吉本興業は18日、日本弁護士連合会に対し、吉本興業及び兼近を申立人として「人権救済申立て」を行ったことを公式ホームページで発表した。これは、兼近の前科、前歴を報じた「週刊文春」(文藝春秋)への抗議とも見られている。
だが、吉本はその声明で、「未成年の時点で犯した罪について実名で報道する行為は、少年法61条にも反するものと考えられます」と、売春あっせんをした報道については異を唱えているが、21歳の時の強盗容疑については直接否定していない。こうした主張のムラも、視聴者の動揺が広がる原因になっているのだろう。
ちなみに、前科があるものの現在も活躍している芸人で言えば、ビートたけしは「FRIDAY」(講談社)編集部に押しかけて編集部員を殴打。住居侵入、器物損壊、暴行容疑で現行犯逮捕された過去を持つ(のちに傷害罪で懲役6か月執行猶予2年の判決)。同じく吉本でいえば、板尾創路が当時14歳の女子中学生と淫行に及び、青少年健全育成条例違反で逮捕されている(罰金30万円)。過去、犯罪を行い、償いも受けている人間をどこまで執拗に追及するのかは、それぞれの心証次第だが、「善行」に限らず人生の暗部までさらされてしまうのは、ネットの功罪だろう。