7日に発売された「文藝春秋」9月号では、「第153回 芥川賞」の選評を掲載。「第75回芥川賞」を受賞し、同賞の選考員を務めた村上龍氏は、「火花」について「文学へのリスペクトが感じられ、かつとてもていねいに書かれていて好感を持ったが、積極的に推すことができなかった」とコメントし、その理由として「長すぎる」と評した。また、村上氏は又吉の新人作家としての勢いや魅力については、まだまだ力量不足と指摘しつつも、「致命的な欠点」とは言えないとし、三角マークで評価した。
日本を代表するレジェンド作家・村上氏が執筆した小説「限りなく透明に近いブルー」は、「第75回芥川賞」を受賞。現在までに単行本・文庫本の累計発行部数367万部を達成。「芥川賞」受賞作としては歴代トップの記録を誇っている。しかし、又吉の「火花」は単行本だけですでに209万部を突破。「限りなく透明に近いブルー」の単行本累計部数131万部をあっさり抜き、記録を更新した。そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの「火花」が、村上氏の持つ単行本・文庫本の累計発行部数の記録をも抜く可能性が高まっているという。
「単行本だけで200万部超えで、単行本と文庫本の合計部数で比べると、村上氏の記録まで残り約150万部。今後間違いなく文庫本化されると思いますが、基本的に単行本より文庫本の方が部数を増やすので、記録を更新する可能性は高い。村上氏超えも射程圏内ですね」(出版関係者)
次回作もさることながら、「火花」での大記録更新の期待もかかる又吉。文庫本も発売し、このまま順調に部数を伸ばせばレジェンド超えを果たす日が、間違いなく訪れるだろう。