「財閥が経済好調の柱となっていたときには国民も不満を抑え込んでいたが、今では経営不振に喘ぐ財閥系は軒並み大量解雇や雇用控えを実施中。しかも、持ちこたえられない企業が倒産し始め、庶民の怒りの火に油を注いでいるのです」
ちなみに、ここで言う「持ちこたえられない企業」とは、昨年大晦日に倒産した『東部建設』のこと。同社は韓国財閥・東部グループ(国内18位)の傘下企業だが、倒産と同時に日本の会社更生法にあたる法定管理を申請し、韓国経済界を戦慄させたほどなのである。
「しかも、同社は平昌冬季五輪のそり会場などを建設していた。そのため『建設中断は必至で、もはや五輪開催は絶望的』と評判になっていたのです。また同社には1700社前後の取引企業があり、連鎖倒産の続出も懸念されている。もはや韓国経済は、火薬庫と化した状況なのです」(前出・経済アナリスト)
要は、経済界では負の連鎖が臨界点に達し始めているのだが、財閥批判と同時に政府へのシュプレヒコールも吹き荒れているという。
全国紙の政治部デスクがこう漏らす。
「その筆頭が、集中砲火を浴びる増税ラッシュなのです。財政難に瀕した朴槿惠政権は、昨秋、住民税を2倍にすることを決定。年明けにはタバコ税も大幅アップし、自動車税も段階的に引き上げる方針なのです。また、少子化対策で結婚しない者から独身税を取ろうといまだに目論んでおり、経済の失政を血税であがなう露骨な庶民イジメと、猛反発を食らっているのです」
実際、これが原因で発足当初は6割を超えていた朴政権の支持率は、今では29%台にまで急落。庶民の間には「クーデターが起きても不思議はない」との声まで渦巻いている有様なのだ。
無論、こうした批判は、五輪をはじめとするイベント事業にも及んでいる。
「F1の中止と五輪開催が暗礁に乗り上げたとの報道ばかりが注目を集めているが、実は韓国は経済大国であることを宣揚するために近年、さまざまな国際大会を開催し、負債で首が回らなくなっているのです。韓国国民はこうした政府のお粗末な政策に呆れ返っており、朴政権を指弾する声は日増しに強まっています」(前出・ソウル特派記者)
この特派記者が語る通り、近年の韓国は、まさに国際大会のオンパレード。例えば、世界大学生乗馬選手権大会('10年)や世界陸上選手権大会('11年)、仁川アジア競技大会('13年)、世界漕艇選手権大会('13年)等々…。枚挙に暇がないほどのイベントを催してきたのである。
「これらは地方自治体が主となって開催してきたが、うち黒字となったものはゼロ。施設建設や運営費など、大会を催すのに掛かった費用の総額は1兆2571億ウォン(約1300億円)といわれ、実情は1兆537億ウォン(約1100億円)もの赤字を計上しているのです。この韓国のやり方は『成り上がりの三流国家方式』と海外でも評判で、五輪の協賛企業が集まらないことやF1チケットが売れないのもこのためなのです」(同)
ただ、気になるのはなぜ韓国がこうした没落政策に奔走し続けてきたのかだが、そこには呆れた理由が存在するとみられているのだ。
「財閥の衰退やあり得ない数のイベント開催は、全て朴政権が舵を切った反日政策に起因しているとみられている。そもそも、急速な発展で経済大国の仲間入りをした韓国の技術力は日本に遠く及ばないが、これを補うために従軍慰安婦問題を追及。日本の国際社会からの排除を狙ったのです。だが、その代償として日本からの技術導入や観光客など、経済的な多くの支えを失ってしまった。結果、貧すれば鈍すで、負の悪循環が加速したのです」(前出・経済アナリスト)
また、前出の政治部記者が言う。
「日韓は緊急時に通貨を融通しあう『スワップ協定』を結んでいるが、この実態は日本からの経済支援。韓国は経済危機のたびに日本に救済されてきた過去があり、これを使えば今回も一時的に経済苦境から脱することができるのです。ところが、朴政権は2月23日に期限切れとなるこの1兆1000億円を上限とする協定の延長を終了した。そのため、国内からは『反日政策に固執する大統領が韓国経済を滅ぼす!』との悲痛な声が上がっているのです」
まさに、韓国経済は日本への怨嗟に押しつぶされそうな勢いだが、それも自業自得と言うべきか。