16日に行われたイースタン・リーグのオリックス戦に、「7番・遊撃」で先発した中日・根尾昂。そのゴールデンルーキーが8回に“主戦場”を離れ、プロ入り後初めて三塁を守った。
試合後の報道によると、根尾の三塁起用は勉強の一環によるものであり、当初は二塁でのスタメン起用も検討されていたとのこと。また、複数ポジションでの起用は今後も検討されているといい、場合によっては外野に入る可能性もあるという。
現在、一軍の遊撃手は「打率.276・2本塁打・11打点・45安打」の京田陽太が務めており、根尾が割って入る隙はほとんど無いことは明白。このことを考慮すると、チームが「複数ポジションを守らせて起用の幅を広げる」という方針を立てるのも分からない話ではない。
ただ、この一件を受けたファンからは「こんなことしてると便利屋に落ち着きそうで心配」、「中途半端にやるより一つに集中させるべき」といった声が挙がっている。また、中には同じく中日に所属する堂上直倫、高橋周平を引き合いに出し、「中日はまた競合ドラ1を潰す気か」という批判を展開するファンも少なくない。
根尾、堂上(2006年)、高橋(2011年)といえば、共に3球団以上(根尾は4球団)が競合した高卒ドラ1野手。これまでに同等以上の評価を受けた高卒野手は、
清原和博(1985年/6球団)
松井秀喜(1992年/4球団)
福留孝介(1995年/7球団/同年は指名拒否)
中田翔(2007年/4球団)
清宮幸太郎(2017年/7球団)
小園海斗(2018年/4球団)
藤原恭大(2018年/3球団)
の7名しかいない。
一昨年の清宮、昨年の小園、藤原はまだこれからの段階だが、その他の選手はいずれも球界を代表する選手に育っている。一方、堂上、高橋に関しては、彼らほど育っているとは言い難いのが現状だ。
なお、この堂上、高橋の両名はどちらとも、二軍時代に内野の全ポジションを守ってもいる。「二度あることは三度ある」とならなければいいが…
文 / 柴田雅人