笹川賞で井口佳が戴冠した今年。次にSGを取るのは誰かと考えるとき、多くの人が思い浮かべるのが、寺田祥、白井英の山口コンビではないか。特に寺田は、先輩の白井をさし置いて、昨年の賞金王の大舞台を踏んでいる。今年のグラチャンの活躍(予選得点率2位、優勝戦3着)を見るまでもなく、SGタイトルに1番近いところに位置する存在なのだ。
今シリーズは「いいエンジンだと聞いている割に、出し切れていない」と話すが、序盤の2日間を終えて(2)(3)(1)なら、はっきり頂点まで見据える内容だ。実際、よく考えた理詰めのレースを展開している。初勝利は5号艇からピット離れを効かしての2コース取り、そこで鋭いハンドルを放っての差し切り勝ちだった。
「ここはピット離れだけを重視した、イチかバチかのセッティングで行きました。さすがに伸びられましたけどね。それでも差せたし、出アシやかかりもいいです」
勝った7Rのメンバーを改めて見れば、枠番までは壁が厚い、同型揃いの構成だった。コースを取ったからこそ、先にさばけたのだ。
「ただ、このプロペラでは伸び勝負になると辛いですからね。もう1枚のと相手と枠で使い分けます」
元来、仕上がるときは伸びから来るタイプだ。その点では異質のアシで結果を出したわけだが、エンジンやレース場の特性によって、応用が効くのは大切なこと。寺田は戦法のバリエーションを増やして、SG取りに臨んでいるといえる。本日1走は2号艇。コース取りから要注目。