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棚橋弘至3年ぶりのドームメイン復帰で完全復活に王手!貫いた「俺のプロレス」

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棚橋弘至

 「何を意識してるかって、Bブロックだよね。全選手の中できっと俺だけ、見てる視点が違う。『わあ〜、Bブロックすげぇ』ってなってるよ。確かに盛り上がってる。ただそれで右にならえばいいのか?『俺は違うんだよ』っていう、俺が持ってるプロレス、見せるよ!」

 真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス28』終盤戦のことだった。Aブロックに入った棚橋の口から、Bブロックの試合を意識した発言が突然飛び出したのだった。確かに今年のG1のブロック分けは、昔から受け継がれているプロレスが得意な選手と、過去にとらわれないプロレスを信条とする選手にハッキリと分かれていた。棚橋はそこを突いてきたのだ。

 「ケニーのプロレスには品がない」

 公開記者会見で棚橋はケニー・オメガを酷評していた。棚橋は電光石火の首固めでジェイ・ホワイトに勝ち、来年1.4東京ドーム大会のメインで、ケニーが持つIWGPヘビー級王座への挑戦権を手に入れた。棚橋は「俺のプロレス」を貫き、3年ぶりのドームのメインを勝ち取ったのだ。今年はセミファイナルにすら入ることができなかった男が、歯を食いしばり、握りこぶしを作りながら、ここまではい上がってきた。ドームのメインでIWGPヘビー級王座を奪取すれば「完全復活」は確実なものとなる。棚橋はその手前までやってきた。

 おそらく、ケニーの土俵…つまりBブロックの闘いをしても現在の棚橋のコンディションからすれば十分に対応できるはず。しかし、G1決勝の飯伏幸太戦では序盤はBブロックの闘い方に合わせながらも気がつけば棚橋ペースに変わっていた。そこが棚橋のすごいところだ。

 ただ、棚橋はケニーや飯伏のことを認めてないわけではない。「ビジュアル、運動能力、全てにおいてね、隙がなく素晴らしかった」と評価している。しかし、彼らの闘い方には疑問もあるようだ。

 棚橋は「IWGPの権威、IWGPの扱い、IWGPのベルトは、アクセサリーじゃないから。それに、ずっとモヤモヤしてたことがあって、きのうの試合に関して言えば、飯伏もCodyも仲間でね?シェイクハンドから始まって、激しい攻防があった。けど、その攻防の中で、握手で始まってるのに『テーブルとか使う必要があんのかな?』と。試合の中で、いくつもの“Why”、なぜ?なんで仲間同士で使う必要があんの?みたいな」と疑問を呈している。

 自身のプロレス観についても口にしている。「俺はプロレスっていうものを広めたいと思ってずっとやって来て、それは初めてプロレスを見た人が疑問に思うところがあってはいけない。ケニーは世界的に評価されてるし、どんどんプロレスを好きになってくれる人も増えてるけど、闘い方が非常に初めて見る人には理解できない部分が多い。“Why”が多い」と持論を展開した。

 その後のケニーのコメントを見る限り、ケニーがどこまで理解できているのかは分からない。ただ、棚橋の「飯伏はいつまでケニーと一緒にいるの?」「ケニーは飯伏を自由にしてやれよ」という言葉と関連があるような気がしてならない。それはどんな試合でもロックアップから始まるプロレスを心がけてきた棚橋のプライドであり、新日本プロレス…いや日本のプロレス界に受け継がれてきたスタイルが間違ってなかったことを、ケニー戦で証明したいのではないだろうか。その結果、ファンの支持を得た上でIWGPを奪還してこその“完全復活”なのだと私は思う。

 プロレスは奥が深い。棚橋はそんな謎かけをファンに投げられる貴重なレスラー。棚橋の根底には“猪木イズム”が残っているのだ。

【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.27】

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