嫁姑・お金・子育て・離婚・介護。誰もが避けて通りたい結婚後の女性のリアルな問題をねちっこく再現して根強い人気の『渡る世間は鬼ばかり』。ご存知脚本の橋田壽賀子センセイは、夫婦円満、家族団らんをキレイに描いたホームドラマとはまったく違った、家庭・家族の負の部分を余すとこなく見せてくださる。「理想の結婚相手は高収入でイケメンで親の面倒を見なくていい人」などと寝言吐いてる独女たちは、目と耳の穴をかっぽじってよくこのドラマを見るといいわ。
チャッピーは以前、「渡鬼」の支持者は年配者の女性ばかりだと思っていたのだけれど、実はこのドラマが大好きという男性も多い。それはひとえに初代・岡倉大吉役だった藤岡琢也や2代目の宇津井健、五月(和泉ピン子)の夫・小島勇の角野卓造、息子の眞のえなりかずき、弥生(長山藍子)の夫・野田良を演じる前田吟など、味のある男性キャストが多数出演しているから。厳しい現実を生きる男たちにとって、嫁姑が対立する家庭という戦場で右往左往する勇や眞はリアルに同情すべき同士。かなり魅力的なキャラクターらしいわね。彼らが子どもの頃から慣れ親しんだ『渡る世間は鬼ばかり』に、イケメン・スターはいらないのよ。(少年隊のカッチャンとかニッキとかも一応出てるけど)
また「渡鬼」の男性キャストは若い人にも結構が人気があって、五月たちが営む中華料理店・幸楽で働く田島周平役である岡本信人なんか、最近では違う意味の草食系男子として(野草を天ぷらにして食べちゃうから)バラエティ番組で人気。ひょっとこ顔の岡本信人がギャルにウケる時代が来るなんて、みんなちょっとどうかしているわね。
さて、最終章となる今シリーズでは、前シリーズ終了時に離れ離れになった眞(えなりかずき)と恋人・貴子(清水由紀)の意外な展開が、物語の大きな目玉になっているそう。バブル後の不況とともに成長してきた眞。家族や就職、恋愛の問題でさんざん苦労して、ここにもまたよその青春ドラマでは絶対に描かれないリアルな若者の姿があるわ。迷えるえなりくん世代の男子必見のシリーズかもね。(チャッピー)