近親はあのディープインパクト。藤沢和厩舎の一番星ガンズオブナバロンが、重賞獲りに挑む。
デビュー戦はマッハヴェロシティに直線の叩き合いの末、0秒1差2着に敗れたが、「うちのはハナを切って、勝ち馬は2番手。ずっと目標にされる形だったからね。位置取りが逆なら勝っていたんじゃないかな」と葛西助手。
実戦を1度使われた効果は大きく、2戦目は好位の4番手から直線で抜け出すと、あとは後続を突き放す一方。6馬身の圧勝もさることながら、芝1800m1分47秒4の走破時計はレコードだった。
「負けられない気持ちだったが、それにしても強い勝ちっぷり。ゴール前も余裕があったし、センスの良さを見せてくれたね」
その前走は暑い時季に中1週で再度、新潟までの輸送を行った。しかも、レコード勝ちの激走で、「レース後はさすがにガクッときた」と同助手。そこで、陣営はひと時の休養を与えた。すぐさま放牧に出され、8月14日に帰厩した。
「元気そうに見えても、まだ2歳馬。目に見えない疲れがあったんだろうね。牧場でケアしてくれて、すっかりリフレッシュ。歩様も良くなったし、ここを目標に順調にきているよ」
そのかいあって、同馬は週末と水曜の1週間に2度時計を出す藤沢和流のケイコにもしっかりとついてきている。22日に坂路で800m58秒1をマークすると、24日には53秒2、ラスト1F13秒3。27日には53秒2、13秒1をマークした。
父はダービー馬スペシャルウィーク、母ヴェイルオブアヴァロンはディープインパクトの姉という良血。440?台とスマートながら均整の取れた馬体は、細身だった史上最強馬の面影をどことなく感じさせる。
「あそこがいい、ここがいいという馬はいるが、とにかくこの馬は悪いところがない。1週前の動きも良かったし、あとは直前やればいい仕上がりにもっていけるはず。マイル?まったく問題ないよ」
そう語る葛西助手の表情は自信に満ちあふれていた。