監督責任があるとして、青柳宏支所長(40)と直属の上司である主任矯正処遇官(59)については、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。
同刑務所は女性に被害感情がなく、処罰を求めていないことなどから、刑事告発はしない方針としている。
同刑務所によると、熊井元刑務官は昨年10月初旬、運動場で声をかけたのをきっかけに、女性と私語を交わすようになり、他の刑務官から見えないような場所でキスしたり、規則に反してクリームパンなどを手渡したりした。1人で巡回中だった11月12日には、食事を差し入れる窓に手を入れて尻を触るなどした。
熊井元刑務官は82年に同刑務所に採用された大ベテランで、昨年3月に同支所に赴任した。女性は刑確定前の未決勾留者として同支所に収容され、その後に懲役刑が確定。同11月中旬、移送先の刑務所で、女性の所持品検査があり、熊井元刑務官が好意を伝えるメモが見つかり、不適切な行為が発覚した。
熊井元刑務官は「境遇を聞くうちに同情してしまった」とし、女性は「被害感情は抱いていない。うれしかった」と話したという。同刑務所では強要などはなかったとしている。
太田実長野刑務所長は「誠に遺憾。職員の綱紀粛正を図り、信頼の回復に努める」とのコメントを出した。
(蔵元英二)