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オリックス担当記者が分析、“オリの神童”由伸抹消も、“投げる闘争心”近藤大亮に期待!

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近藤大亮(オリックス)

 24日から始まった関東、北海道のビジター9試合は、優勝圏内に踏みとどまっていたオリックス・バファローズにとって、最低でも勝ち越しが必須の大事な遠征だった。しかし、結果は今季ワーストの8連敗。最後の試合こそ勝ったものの、自力優勝は消滅。貯金生活から一転、借金生活に逆戻りしてしまった。

▼7月24〜29日のオリックス戦績

【対 埼玉西武 メットライフドーム】
24日
●金子千尋 1-7 多和田真三郎○
25日
●増井浩俊(先発はディクソン) 5-6× ヒース○(先発は十亀剣)
※延長10回
26日
●増井浩俊(先発はアルバース) 1-2× ヒース○(先発は菊池雄星)
※延長10回
【対 北海道日本ハム 札幌ドーム】
27日
●西勇輝 2-13 上沢直之○
28日
●山岡泰輔 0-3 堀瑞輝○
29日
○近藤大亮(先発はローチ) 8-2 トンキン●(先発は高梨裕稔)

※92試合42勝46敗4分けのパ・リーグ5位。首位・西武と10.5ゲーム差、3位ソフトバンク、ロッテとは2ゲーム差。最下位の楽天とは4.5ゲーム差。

 野手では小谷野栄一が北海道遠征から復帰したが、主軸だったT-岡田、中島宏之は復帰のめどがまだ立っていない。投手陣ではシーズン序盤にアルバースとともに先発陣を引っ張ってきたルーキー・田嶋大樹が肘の張りが取れず離脱中と、主力の離脱が相次ぐ中、若い選手たちの力でよくここまでやってこれたという印象が強い。

 その中で、主に8回を任され現在ホールドとホールドポイントでリーグトップを走る高卒2年目の新人王最有力候補“オリの神童”山本由伸が、27日に登録を抹消された。連敗中だったこともあり、ファンにさらなる衝撃を与えたのは事実だろう。しかし、由伸の抹消はCS争いが佳境を迎える前に離脱を防ぐ予防的なものであって、決してネガティブなことではない。むしろ早く決断した首脳陣の判断は正しかったと思う。

 由伸は6月下旬から抜け球が目立つようになり、失点する場面も見られるようになった。7月の防御率が3.24(シーズン防御率は1.41)だった。39試合登板と、本人にとっては未知の領域に達し、ピッチングに変化が出てきたのは明らか。抹消前、由伸も「体のバランスが崩れているので、スピードも落ちている。一度しっかり修正したい」と話していた。抹消期間中に本来の姿を取り戻し、チームのCS争いと自身のタイトル争いに専念してもらいたい。なお、由伸は一軍に帯同しながら調整し、抹消から10日間での復帰を目指すことになりそうだ。

 疲労が蓄積しているのは西武戦で連夜のサヨナラ打を浴びた“新守護神”増井浩俊ら、他の投手陣も同じ。ただ、昨年セットアッパーとして活躍した“投げる闘争心”近藤大亮の調子が上向きなのは好材料だろう。近藤はあの“誤審”によるホームランを除けば、6月16日のDeNA戦での失点を最後に無失点を続けているのだ。これまでは先発が早く崩れた場面や、6回、延長戦などで起用されていたが、由伸の離脱に伴い、7回を任されることになった。8回の“オリの鉄人”吉田一将とともにセットアッパーに再昇格。7月に9試合を投げ、防御率0.00の成績を収めて4月に6.75だった防御率を3.19まで戻した。

 最近はストレート一辺倒ではない。「完璧に真っすぐを狙われてると思ってるので、絶対に抑えなきゃいけない場面は変化球中心に組み立てたりしてます」とカットボールなどスピードのある変化球を織り交ぜながら打ち取る場面が増えている。近藤がセットアッパーとして機能すれば、由伸や黒木優太が復帰したときに、登板試合数が12球団最多の吉田一、増井を休ませることも可能になる。相手チームに中継ぎ陣の層の厚さを知らしめることもできるだろう。由伸の抹消中、近藤にかかる期待は大きい。

 「腕がちぎれるぐらいの気持ちで投げる」というのが今年近藤が掲げたテーマ。“投げる闘争心”近藤大亮の闘志と男気あふれるピッチングが、チームを最大の危機から救ってくれるだろう。

取材・文・写真 / どら増田、垪和さえ

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