重賞連覇へ向け、ますます快調だ。前走のアイビスSDで重賞初制覇を飾ったカノヤザクラ。その後は北九州記念に出走するプランもあったが、回避してここに備えてきた。
「使おうと思えば使えたんだけど、アイビスSDの馬体重が498kgとデビュー以来、初めて500kgを切った。反動が心配だったから大事を取っただけなんだ」と橋口師はここに至る経緯を説明した。
猛暑が続いた時季を充電にあてた効果は、張りのある馬体にもはっきり現われている。馬格の割にはキャシャに見えるシルエットだが、胸前、トモなど必要な筋肉はギッシリ詰まっている。いかにも短距離で映えるサクラバクシンオー産駒らしい肉づきだ。
1週前は時計(栗東坂路800m53秒1、ラスト1F13秒2)こそ目立たなかったが、動き自体は軽快そのもの。緩みもなく、きっちり仕上がっている。
前走は直千の攻防で飛躍を遂げた。しかし、本来、最も力を出せる舞台はこの1200mだ。以前は出遅れ癖があり、なかなか勝ち切れずにいたが、前走の激しい流れを5番手で乗り切ったことがカンフル剤になったはず。うまく流れに乗れるだろう。
「今回は500kgを超える体で出せるはず。走り慣れた距離だし、結果次第でスプリンターズSを目指したい」
昨年は2着。悔しい思いをしたが、1年を経てその経験は確実に力になっている。夢を広げるためにも、昨年の上をいきたい。
【最終追いVTR】坂路で小牧騎手が手綱を取り、800m50秒5→37秒9→13秒7(一杯)をマークした。テンから12秒6と速いペース。ラストは止まったわけではないが、脚色が鈍って鞍上も追うのをやめた。ただ、道中はスピード感満点の走りで、馬体もすっきり見せている。具合は悪くなさそうだ。