ステッキを乱打すれば尻っぱねで反抗し、キャンターに下ろそうとすると突っ張ってブレーキをかける。そんな鞍上とスイープトウショウの格闘が約20分以上にもわたって繰り広げられたのは当初、最終追いに予定していた3日の調教だ。
「この中間はBコースで3本追い切ってきた。先週の動きなんかは良かったんだ。それなのに…。気持ちがもうギリギリのところまできている」山田助手はスイッチの入ってしまった精神状態を拒否の原因として挙げた。
そして、きょう4日(木)、仕切り直して追い切りに挑んだが…。ゲートからEコース入り。そこまではよかったが、キャンターに下ろすと昨日同様、再びゴネた。鞍上が押すとクビを横に向けて反応せず。16-16のキャンターをするのがやっとだった。
この“悪態”に、鶴留師は苦渋の決断を下した。出走回避。「Eコースは最後に取っておいたんだが…」以前から、各コースで気難しさを見せてきたスイープ。もしものためにと大外Eコースは使用することなく、“虎の子”として取っておいたが、「ゲートから出してもあんなものだった」と師は困惑の表情。「今の状態では出せない。競馬で止まってしまっても困るからね」。秋のビッグレースは目前。競馬界の“女王様”のご機嫌はいつになったら戻るのだろうか。